不動産ニュース / 開発・分譲

2020/10/26

かんぽの宿、来春までに全施設リニューアル

「伊豆高原」は富裕層をターゲットにしたプレミアム室を設定。全室露天風呂付き

 日本郵政(株)は23日、2018年度から段階的に進めてきた宿泊事業「かんぽの宿」33施設のリニューアルを、21年春までに完了すると発表した。同日、大規模リニューアルを行なっている「伊豆高原」(静岡県伊東市)と「鴨川」(千葉県鴨川市)の概要について明らかにした。

 かんぽの宿は、15年度から簡易保険加入者以外の宿泊受け付けもスタート。現在全国33施設で約1,900室を運営しており、年間宿泊者数は約100万人。平均客単価(1泊2食)は1万2,700円と、リーズナブルに利用できる温泉付きホテルとしてアピールしている。リニューアルは、施設の競争力維持と日本郵政グループの地方創生への取り組み強化の一環として行なってきたもの。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う三密対策だけでなく、ウィズコロナ時代の新たなユーザーニーズに対応。地方・地域の魅力発信をより高めるため、館内飲食での地産地消の拡大、施設周辺観光地とタイアップしたツアーの提案、SNSを中心としたデジタルマーケティングの強化、施設駐車場をキャンプ場として活用する「くるまパーク」の拡大など、ソフト面の取り組みも強化する。

 「伊豆高原」は1988年開業。地上3階地下1階建て、延床面積は約8,500平方メートル。首都圏の富裕層を取り込むため、59室の客室を55室に減らし、仕様をグレードアップしたプレミアム室を22室設けた。プレミアム室は全室露天風呂付き。ロビーには水盤テラスを設け、伊豆大島を望む借景とのパノラマを楽しめるようにした。客室面積は30~116平方メートル。宿泊料金(1泊2食)は、スタンダードルームが2万2,200円~、プレミアムルームが2万9,900円~。開業は、21年4月1日。

 「鴨川」は80年開業。メインターゲットであるファミリー向けにリニューアル。中庭にアウトドアテラスを設けたほか、ロビーをリニューアルし開放感を演出した。1階には、松林を借景とした大浴場を新設する。客室は105室から103室に。ビジネスユースにも対応するため、25~85平方メートルとバリエーションを持たせた。宿泊料金は、1万2,000円~。開業は、2021年3月6日。どちらの施設も、11月1日から予約を受け付ける。

 23日会見した日本郵政執行役の櫻井 誠氏は「今後も、地域とともに発展するというコンセプトに基づき、地域や地方の魅力を発信し、地方創生にも寄与したい」などと抱負を語った。かんぽの宿は「鳥羽」(三重県鳥羽市、58室)、「赤穂」(兵庫県赤穂市、50室)の大規模リニューアルも進めており、前者は21年4月16日、後者は21年2月5日にリニューアルオープンする。リニューアルの完成により、コロナ禍により落ち込んだ客室稼働率を、18年度水準の約65%にまで高めたいとした。

「鴨川」の客室は、和モダンテイストにリニューアル

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