(一財)日本不動産研究所(JREI)は25日、2020年9月末現在の「全国賃料統計」調査結果を発表した。全国主要都市のオフィス76ポイント、共同住宅158ポイントを対象にモデル建物の新規賃料を査定、指数化している。指数は2010年を100とする。今回で25回目。
オフィス賃料指数は、調査地点の約3分の2地点が横ばいとなり、全国平均で113.1(前年比0.9%上昇)と7年連続するも上昇幅が大幅に縮小した。コロナ禍で主要都市の空室率は、上昇傾向にあるものの、多くの都市で3%台と依然として低い水準にあり、賃料の下落の動きはあまり見られず、横ばいとなっている地点が多い状況。
地方別では、北海道地方118.1(同3.9%上昇)、近畿地方124.6(同2.0%上昇)、九州地方104.4(2.2%上昇)が2%以上上昇したが、そのほかの地方では緩やかな上昇もしくは微減となった。
都市圏別では、横ばいの名古屋圏以外では上昇しているが、上昇幅は大きく縮小した。特に昨年の上昇率が大きかった大阪圏は127.3(同2.2%上昇)。
主要地点は、前年はすべての地点で1%以上の上昇率だったのに対し、今回4地点と大幅に減少したが、下落した地点はなかった。
共同住宅賃料指数は、横ばいの地点が約9割を占め、全国平均で99.5(同変動なし)と、前年同様ほぼ横ばいの状況が継続した。
今後見通しは、オフィス賃料は多くの都市で横ばい傾向となり、21年9月末時点で、全国平均で0.1%上昇する見通し。一方、共同住宅は横ばいとなる見通しとした。