不動産ニュース / 開発・分譲

2021/1/19

元駐車場を通気性の高いオフィスに再生/サンフロ

1階土間・縁側部分
1階裏口。駐車場の時は全面壁だったが、一部を開口部とすることで、オフィス全体の風通しを改善した

 サンフロンティア不動産(株)は20日、不動産再生事業を手掛けたオフィスビル「THE WAVES AKIHABARA」(東京都千代田区)を竣工する。

 東京メトロ日比谷線「秋葉原」駅徒歩8分、JR総武線「馬喰町」駅徒歩4分に立地。1985年築。敷地面積約422平方メートル。鉄骨造陸屋根9階建て、延床面積約2,304平方メートル。同社は2019年、改修する前提で同物件を取得。従来は駐車場であった1階をオフィスとしてコンバージョンした。コンバージョン時の容積率の問題は、隣地を取得し敷地面積を拡大することでクリアしている。使用していなかった屋上や、取得後に退去が発生したフロアも改修。コロナ禍において世界中でオフィスの在り方が問われる中で、同ビルでは、“日本らしさ” をテーマに、感染症が拡大する中でも安心して働ける物件を目指し、プランを設計。従来より多くの人が在宅勤務を経験し、住宅の快適性が見直されていることを受け、「暮らしに近いワークスタイル」、「オフィスと居住の機能のコラボレーション」もキーワードに据えた。

 1階は専有面積約196平方メートル。元駐車場ならではの約4mの天井高を生かし、開放感のあるオフィスとした。入り口は透明な掃き出し窓張とし、全面開放できるように。裏口にも大きな掃き出し窓とテラスを設置することで、オフィス全体に風が吹き抜ける構造とした。日本らしさと家のようなリラックス空間を創造するため、入り口には水栓やEV用のコンセントを設置した土間・縁側スペースを用意。ペットを連れての出社や電気自動車の駐車場としての利用等、次世代のオフィスニーズに対応できるようにした。感染症対策としては、1時間に2回フロア全体の空気を入れ替える自動換気システムや、手指の自動消毒器等を導入した。
 その他、会議室も透明な壁・ドアを採用しオープンな雰囲気を持たせる、入り口付近に8人掛けの大型カウンターを設ける等、社員同士のコミュニケーションを円滑化する工夫を凝らした。月額賃料は約170万円。

 2~9階は専有面積約240平方メートル。リノベーションしたフロアには自然の岩場を思わせるカラーのベンチを設置。さらに、東側の窓に面する日当たりの良い壁際のスペースに、掘りごたつやハイカウンターなどのデスクを設えた集中ブースを設置した。賃料は約154万円。

 屋上には、10人以上でミーティングができる大型のテーブル・椅子やベンチを設置。コンセントやWi-Fiも用意し、パソコンを持ち込んでの執務にも対応できるスペースとした。リノベーションフロアのみならず、同物件に入居するすべてのテナントに開放する。

 2階以上のリノベーションフロアは2020年秋頃からリーシングを開始。30~40人規模のIT系企業からの反響が高く、一部のフロアは引き渡しも完了した。1階は1月20日からリーシングを開始する。

2階以上のリノベーションフロア。縁側を思わせるベンチや、日当たりの良いカウンタースペースはあらかじめ備え付けとした
屋上はWi-Fi完備とし、執務が行なえるようにした。スカイツリーを眺望できる

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