(一社)不動産流通経営協会(FRK)は23日、2019年の既存住宅流通量推計(速報値)を発表した。法人・個人を問わず、売買により所有権移転が行なわれた所有権移転登記個数を、総務省の住宅・土地統計調査をベースに推計した「住宅ストック戸数」と、同省による固定資産の価格等の概要調書から算出した「非住宅ストック棟数」で按分し算出した。
19年の既存住宅流通量は、全国ベースで60万4,324件(前年比8,674件増)。新設住宅着工戸数と比較した既存住宅流通比率は40.0%(同1.3ポイント上昇)となり、09年の調査開始以来、初めて4割に達した。「新設住宅着工戸数が減少し、既存住宅流通推計量が拡大したことが要因」(事務局)と分析している。
都道府県別にみると、最も流通量が多かったのは東京都で14万4,000件(同約1,000件増)。以下、大阪府6万件(同約1,000件増)、神奈川県5万8,000件(同約2,000件増)と続いた。流通比率については、京都府が51.8%(同2.3ポイント低下)で最も高かった。また、東京都は50.8%(同1.0ポイント上昇)と全国で2番目に高い割合を示し、調査開始以来、初めて過半となった。ストック件数が蓄積されている1都3県および関西圏で流通比率が高い傾向にある。
東京23区の流通量は12万1,949件(同503件減)となり、東京都全体の約85%を占めた。流通比率は52.6%(同0.3ポイント上昇)と、3年連続で5割超となった。法務局出張所の管轄エリア別では、「墨田区・江東区」が1万2,970件(同870件増)で最も多く、流通比率は「渋谷区・目黒区」が62.8%(同0.8ポイント低下)で最も高くなった。
同協会では、「過去数年の新設住宅着工が多かったエリアでは、ストックの蓄積が影響するのか、その後に流通量が増加する傾向がある」とコメントしている。