不動産ニュース / 開発・分譲

2021/3/26

釜石市とワーケーション事業を展開/日鉄興和不

調印式の様子。中央が野田市長、左が日鉄興和不動産の吉澤氏

 岩手県釜石市と日鉄興和不動産(株)、観光まちづくり会社の(株)かまいしDMCは26日、地方創生の推進を目的に、釜石市におけるワーケーション事業の実施に向けた包括連携協定を締結した。

 首都圏のワーカーをターゲットに、地方でのサテライトオフィスやワーケーションプログラムを提供。釜石ならではの体験(自然体験、食文化、地域貢献、研修等)や現地とのつながりを提供することで、ワーカーや企業側の新たなイノベーション・ビジネスチャンスを創出するとともに地方創生に寄与していく。日鉄興和不動産は、長年、日本製鉄釜石製鉄所の社有地を活用したまちづくりを手掛け、震災後は同市と連携し復興公営住宅やこども園などの復興事業に取り組んできた。その関係から三者は、同市を新たなビジネスモデルで盛り上げるため、協定締結に至った。

 釜石市は、観光資源を活用した滞在型観光の創出およびワーケーションの長期ビジョン策定、ワーカーと地場企業のマッチングなどの役割を担う。日鉄興和不動産は土地建物の取得・設計に関わる不動産実務やシェアオフィス運営で培った空間づくりのノウハウを提供し、首都圏ワーカーニーズのマッチング等を手掛ける。かまいしDMCは、現在震災の教訓を題材としたリスクに強い組織づくりの研修や地元企業・飲食店と提携したプログラムを多数展開しており、季節に応じた1次産業関連の体験プログラム等、新たなプログラムを開発。運営・現地宿泊等などとのマッチングや地元連携先企業の紹介を手掛けていく。

 第1弾として、21年夏頃を目途に、同市内中心部にプログラムの拠点となるワーケーション施設を開設。施設は、日鉄興和不動産がすでに2階建て店舗物件を取得しており、改装後、かまいしDMCが2階に入居し、1階をコワーキングスペースとして運営を手掛ける。ワークスペースは30~40平方メートル、5~6名での利用を想定しており、宿泊・食事・自然体験等は地元事業者・資源を活用する。当初は、日鉄興和不動産の都心オフィスのテナント数組に実証実験的に利用してもらい、ニーズや地元企業との連携のあり方を模索。23年以降、長時間・長期間の滞在利用を想定した新たなワ―ケーション施設の設置を検討していく。協定の期間は23年3月31日まで。成果や課題を踏まえ以後、最大5年間延長する予定。

 26日に会見した釜石市長の野田武則氏(かまいしDMC代表取締役)は、「復興後の形が見えてきた今、今後の釜石のあり方、発展に目を向けなければいけない。このワーケーション事業は、コロナ禍という大きな課題を乗り越え、次の世代にきちんとした形でまちづくりを伝えていくために必要な事業。釜石のさまざまな魅力、資源を最大限活用できる素晴らしい事業であり、日鉄興和不動産様とのこれまでの連携を踏まえ、さらに深い絆のもとに推進していきたい」などと抱負を述べた。

 自身も釜石から東京に向かう電車の中で被災した日鉄興和不動産代表取締役副社長の吉澤恵一氏は、「当時、戸建てがメインだった釜石で新しいライフスタイルとして新築分譲マンションを計画した。その竣工式が震災当日だった。なんとか釜石に貢献したいと、これまで災害復興事業に取り組んできた」と当時を振り返り、「われわれの大きな役割は県外の人を釜石と結ぶこと。リゾート地の非日常空間ではなくとも釜石には自然や皆の努力で災害を乗り越えてきた歴史がある。釜石の軌跡、不屈の精神といったものをこの地を訪れる人々に知って学んで感じてもらい、それを釜石の活性化、地域の創生につなげられれば。当社もこの経験を通じて、将来のオフィスや住まいのあり方に関してイノベーションを起こしていきたい」などと話した。

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