不動産ニュース / 団体・グループ

2021/5/24

埼玉宅協が4回目のタウンマネジメントスクール

グループディスカッションの模様

 (公社)埼玉県宅地建物取引業協会は21日、埼玉グランドホテル深谷(埼玉県深谷市)で、「タウンマネジメント・スクール」を開催。会員会社の経営者・実務者など38名が参加した。

 全宅連が推進するこれからの中小不動産会社の在り方「地域守り・家守り・資産守り」に基づき、地域資産を活かし地域価値を向上させるための取り組みを会員企業で考えていくもので、今回が4回目。今年の大河ドラマの舞台で、企業家・渋沢栄一氏の生誕地でもある深谷市のまちを歩き、まちづくりのあり方を学ぶのが狙い。冒頭挨拶した同協会会長の江原貞治氏は「空き家を活かした地域づくり、まちづくりは社会貢献と地域活性化につながる。そうしたまちづくりを行なうローカルスーパースターを作りたいという願いを込め、このマネジメントスクールを行なってきた。大河ドラマで注目されているこの深谷でみなさんとしっかり勉強したい」などと挨拶した。

 参加者は、1時間にわたり深谷のまちなみを見学。座学ではまず、不動産業の経験もある深谷市議会議員の今井 慶一郎氏が講演。同氏は、深谷市の住宅、商業、農業の再活性化に向けた取り組みを紹介しつつ「地価が安く、若い人でも新築住宅が入手できる。災害が少なく、終の棲家にも向く」と深谷市をアピール。「まちを活性化させるためにも、行政、自治会、不動産業者の連携が必要。また、若い人たちの意見が通りおもしろいことができるまちにしたい」など持論を展開した。

 続いて、秩父市の空き家バンク事業に注力してきた(株)依田商店代表取締役の依田 英一郎氏が講演。当初年間7、8件の成約実績しかなかった空き家バンクを、移住者と地域住民との橋渡しなど徹底したケアにより、10年間で年間60件にまで増やしたなどと披歴。「西武秩父駅周辺は1970年代に建った古家が多い。私たちから見ればただの古家だが、昭和を知らない若い人たちには古民家のような魅力がある」と空き家の地域資源としての魅力をアピール。繁華街の店舗には今ではほとんど空き家がないことや、コロナ禍以後は別荘地の空き家もなくなっていることなどを明らかにした。

 講演後には、参加者がグループに分かれディスカッション。「今日の講演会で気づいたまちづくりのあるべき姿」「理想とする街づくりの実現のために解決が必要な課題」「中小不動産業者だからできるまちづくり・地域活性化」について話し合い、グループごとに発表。各グループからは「行政との連携は必須」「地域住民に空き家問題を自分事と理解してもらう」「まちの財産となるシンボル(建物)を維持していく」「われわれが地域の案内所として地域のよいところをアピールしていくべき」などの意見が挙がった。

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