不動産ニュース / 調査・統計データ

2021/7/30

都心Aクラスビル、賃料下落一服し小幅上昇

 三幸エステート(株)は30日、(株)ニッセイ基礎研究所と共同開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標「オフィスレント・インデックス」(2021年第2四半期(4~6月)版)を公表した。

 東京都心部のAクラスビル(延床面積1万坪以上、基準階床面積300坪以上、築年数15年以内)の坪当たり賃料は、3万5,332円(前期比23円上昇)。昨年までの大幅な下落は落ち着き、横ばいとなった。空室率は1.9%(同0.1%上昇)で3期連続で上昇した。複数の新築ビルが空室を抱えて竣工したことに加え、新築ビルへ移転したテナントの二次空室も発生した。もっとも、高い競争力を有するAクラスビルでは賃料の調整等によりテナント誘致が進む事例もあるなど、空室率上昇ペースは鈍化していると分析している。

 Bクラスビル(基準階面積200坪以上でAクラスに含まれないビル)は、坪当たり賃料は2万250円(同201円上昇)と、7期ぶりに上昇した。空室率は4.0%(同1.4ポイント上昇)と5期連続で上昇し、上昇幅も大きい。新築ビルに移転したテナントの二次空室や統合移転により生じた空室が目立ち、空室率の上昇ペースは速い。

 Cクラスビル(基準階面積100坪以上で200坪未満、築年数制限なし)は、坪当たり賃料が1万6,838円(同155円上昇)と、小幅ながら5期ぶりに反転上昇した。空室率は3.6%(同0.3ポイント上昇)と5期連続で上昇。統合移転や自社ビルへの集約等で空室が生じるケースがある一方で、A・Bクラスビルと比較してテナントの動きが見られるため、空室率の上昇ペースは緩やかになりつつある。

記事のキーワード 一覧

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年4月号
市場を占う「キーワード」
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/3/7

「海外トピックス」を更新しました。

飲食店の食べ残しがSC内の工場で肥料に!【マレーシア】」配信しました。

マレーシアの、持続可能な未来に向けた取り組みを紹介。同国では、新しくビルを建設したり、土地開発をする際には環境に配慮した建築計画が求められます。一方で、既存のショッピングセンターの中でも、太陽光発電やリサイクルセンターを設置し食品ロスの削減や肥料の再生などに注力する取り組みが見られます。今回は、「ワンウタマショッピングセンター」の例を見ていきましょう。