(株)ザイマックス不動産総合研究所は12日、「コロナ禍における店舗戦略に関する実態調査2021」を公表した。小売業・娯楽業・サービス業を行なう売上30億円以上の事業者および売上5億円以上の飲食事業者を対象にアンケート調査およびヒアリングを実施した。調査期間は6~8月、有効回答数はアンケート357社、ヒアリング8社。
「国内店舗数の増減(2019年度末比)」については、「非常に減少した」「減少した」との回答は娯楽業が最も多く、次いでサービス業となった。飲食業は「非常に減少した」は全事業種の中で最も高いものの、「減少した」と合わせると先に挙げた2業種を下回り、国や自治体による支援策によって閉鎖店舗増加に歯止め効果が出ていると考えられる。
「新規出店の方針」については、「店舗数拡大のために積極的に出店」は8%。19年調査(12%)よりは減少したが、20年調査(6%)からは微増した。「優良物件に絞って出店」は58%。19年調査(51%)、20年調査(50%)の横ばい状態から、過去3年で最も高くなった。
「重視する出店立地」についてはほとんどの立地タイプが19年以降減少傾向となっていて、「原則として出店せず」は23%と、19年調査比8%増加した。特に、「駅前・駅周辺」、「繁華街・商店街」、「駅ビル・駅ナカ」などコロナ禍で人流が減少したポイントは出店の意向が減少。一方で、「住宅街」は19%と、19年調査比2%上昇しており、事業エリアが消費者の生活圏により近づく傾向がみられる。
「新型コロナに起因して実施した施策」としては、「賃料減額の申し入れ」(55%)がトップ。「退店・中途解約の申し入れ」(28%)、「開業予定店舗の開業中止もしくは延期」(12%)が続いた。