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2021/10/25

25年度の新築戸建てZEH供給率80%目指す

 (一社)プレハブ建築協会は25日、同会住宅部会(会員20社)の新たな行動計画「住生活向上推進プラン2025」(2021~25年度)について発表した。

 3月に閣議決定された「住生活基本計画」の追加目標と新規成果指標や、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」への対応を考慮して策定した。また、住宅部会として、明確な目標発信とさらなる実現に向けた取組推進を図るため、これまで別途定めていた環境行動計画「エコアクション」の目標管理指標の部分を「住生活向上推進プラン2025」に統合した。「エコアクション」の理念、行動指針、活動方針の内容については再整理を行ない、長期的に目指すべき方向性を示した「環境ビジョン」としてまとめた。

 「住生活向上推進プラン2025」では、25年度の目標として、新築戸建住宅(建売住宅を含む)におけるZEH供給率は「80%」、居住段階における一次エネルギー消費量削減率(再エネ含む)は「基準建物比100%削減(家電等、その他エネルギーを含まず)」を掲げた。また、国が発表している目標数値と比較しやすいようにあわせて30年度の目標も設定。ZEH供給率については85%達成、居住段階における一次エネルギー消費量削減率については家電等、その他エネルギーを含めた100%達成を目指す。いずれも国が定める目標より早いペースで進めていく方針。

 そのほか、災害対応体制を強化するための「大規模災害対応WG」の新設のほか、人材育成の推進を掲げた。具体的には、プレハブ住宅リフォームコーディネート講習や、プレハブ建築における大工技能者の育成のための講習の積極的な開催などを挙げている。また、新しい住まい方やDX推進を図るため、会員各社の取組事例や推進状況の情報共有を実施する。

 また、「エコアクション2020」(10~20年度)における20年度の実績と最終年度の総括についても発表。

 20年度の実績について、新築戸建住宅は、注文住宅のZEH供給率が64.9%(前年度比3.1ポイント増)と増加したものの20年度目標の70%には到達しなかった。居住段階におけるCO2排出量は1,074kg-CO2/戸・年(同14.4%減)で、基準となる10年度からの比較では53.2%減(20年度目標:60%減)と、目標達成には及ばなかったものの着実に削減が進んだ。断熱性能の高さを示す強化外皮基準を満たす戸建住宅の供給率は86.0%(同2.5ポイント増)となり、ほぼ標準仕様といえるほど普及したことが分かった。太陽光発電システムを設置する戸建住宅の供給率はZEHの普及に伴い69.5%(同7.4ポイント増)とこれまでで最高の供給率となった。

 総括では、ZEHの普及については、自主目標には届かなかったものの、国の掲げる目標を大きく上回る実績となり、業界を牽引する先導的役割を果たすことができたとしている。ZEHの推進に合わせて、この5年間で外皮の高断熱化や省エネ機器の導入を積極的に進め、太陽光発電システムの設置率も約7割まで高めた結果、平均的な新築住宅の居住段階におけるCO2排出量については、概ね年間1t-CO2/戸まで大きく削減が進んだ。加えて、10年前にはほとんど見られなかったHEMSや蓄電池といった新しい設備の導入も進み、エネルギーの効率利用や災害時のエネルギー確保などが新たな戸建住宅の価値として認知が広まりつつあるとした。

 今後は、国の掲げる「2030年に新築住宅の平均でZEH」との目標を先行して達成すべく、注文住宅に比べ著しくZEH供給率が低い建売住宅(20年度は38.9%)においてもZEHの普及を推進するとともに、より高度なZEHとして定義された「ZEH+(プラス)」や、住宅の生涯を通じてCO2排出量をマイナスにする「LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅」の推進においても先導的役割を果たしていく必要があるとした。

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LCCM住宅

住宅の建設から解体までの間(ライフサイクル)における二酸化炭素排出量がマイナスとなる住宅をいう。Life Cycle Carbon Minus住宅の略。

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