不動産ニュース / 調査・統計データ

2021/11/19

地場景況感、賃貸仲介は見通し明るく

 不動産情報サービスのアットホーム(株)は19日、「地場の不動産仲介業における景況感調査」(2021年7~9月期)の結果を発表した。

 北海道、宮城県、首都圏(1都3県、東京は23区と都下)、静岡県、愛知県、近畿圏(2府1県)、広島県、福岡県の13都道府県14エリアにおいて、前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出。「50」を前年並みとする。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて不動産仲介業に携わる不動産店の経営者層を対象にインターネットで調査した。調査期間は21年9月13~25日。有効回答数は2,015店。

 当期の賃貸仲介の業況DIは、首都圏で38.9(前期比3.3ポイント低下)、近畿圏37.3(同2.8ポイント低下)といずれも低下し、30台まで落ち込んだ。ただし、いずれも前年同期の水準は上回っている。全国14エリア中、12エリアで前期のDIを下回り、改善したのは北海道と兵庫県のみにとどまった。

 売買仲介の業況DIは、首都圏が45.2(同0.4ポイント低下)、近畿圏が42.4(同0.8ポイント上昇)。両エリアとも、21年1~3月期からほぼ横ばいでの推移が続いている。14エリア中、上昇6エリア、低下7エリア、横ばい1エリアでほぼ均衡。千葉県で50を上回ったほか、埼玉県、京都府、宮城県、愛知県、福岡県で40台後半を記録した。

 21年10~12月の見通しDIは、賃貸仲介が首都圏42.9、近畿圏43.3といずれも今期の実績DIを上回った。エリア別では12エリアで上昇を見込んでおり、ポジティブな見方が広がっている。一方、売買仲介では首都圏46.2、近畿圏44.3と両エリアとも上昇見込みとなった。エリア別では7エリアで上昇見込み。8エリアで40台後半となった。

 不動産店からは、賃貸では「来店数、問い合わせ数共に減少した」(東京都品川区)といったネガティブなコメントがある一方で、「コロナワクチン接種が進んで感染者数が減少すれば動きが出てくるはず」(神奈川県小田原市)といった期待感を示すコメントが聞かれた。また、売買においては「新築・既存戸建てのお客さまが増えた」(愛知県豊田市)など客足の戻りについてのコメントが寄せられたが、DIが低下したエリアからは「売却や価格査定案件が減少。購入意欲の冷え込みが感じられる」(静岡県富士市)などの声もあった。また、「都心や横浜方面からのお客さまが増えた」(神奈川県秦野市)といった、都心から郊外へのニーズの継続をうかがわせる声も多かった。

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