不動産ニュース / その他

2022/6/2

XR技術活用し、未来の建物のあり方を検証

人の動きに音と光で反応する空間
襖の奥には室内空間のバーチャル世界。畳のLEDもコンテンツに沿って演出が変わる

 大和ハウス工業(株)は、(株)バンダイナムコ研究所(東京都江東区、代表取締役社長:中谷 始氏)、(株)ノイズ(東京都目黒区、代表取締役:酒井康介氏)と共に3日より、建物とデジタル技術を組み合わせることで創出される新しい価値を検証する共同実証実験プロジェクト「XR HOUSE 北品川長屋1930」(東京都品川区)を開始する。

 同建物は、京浜急行電鉄本線「北品川」駅より徒歩約4分に立地、築90年以上の長屋の1軒を改装した。木造地上2階建て。延床面積97.70平方メートル。コロナ禍によるDXへの対応や空き家問題の課題解決につなげるもの。実証実験での拡張体験が建物価値や建物サイクル等にどのようにつながるのか検証していく。施工・施設運営は(株)MAKE HOUSE。

 このプロジェクトでは、「XR技術」(AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)といった現実世界と仮想世界を融合する表現技術の総称)を活用。来場者に「⽣活(利⽤)体験の拡張」を提供する。

 1階は、人の動きに音と光が反応し、家が人格を持ったような空間に。センシングデバイスを活用し、来場者がLED電球に触れると、空間に置かれたタイルへの映像投影とサウンドが反応する仕掛けを用意した。なおその反応は、人の位置などによって多様に変化する。2階は、リアル世界とバーチャル世界の共生を目指した空間を創出。障子や襖を開けるとバーチャル世界が広がり、立体音響の効果により、外とつながっているような感覚等を体感できるようにしている。畳にはLED技術を組み込むことで、コンテンツに沿って演出が変わる仕様とした。

 実証実験は2022年8月31日まで。有識者や業界関係者、学生等に見学してもらい、意見を募ることで、建物の拡張で提供されるべき体験と必要な情報や、多種多様な共創を可能にする共通媒体等について検討していく。将来的には、住宅に限らず、さまざまな建物に応用していく方針。

「XR HOUSE 北品川長屋1930」外観

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AR

情報技術を活用して、現実世界に仮想の情報を重ねることによって現実感を拡張すること。英語のAugmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)の略語で、「拡張現実感」「拡張現実」などと翻訳されている。

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