不動産ニュース / 政策・制度

2022/6/23

リフォームの訪問販売における過量販売の考え方示す

 消費者庁は22日付で、「訪問販売又は電話勧誘販売における住宅リフォーム工事の役務提供に係る過量販売規制に関する考え方」(以下、「考え方」)を策定し、「特定商取引に関する法律等の施行について」(通達)の別添として追加した。

 2008年に特定商取引に関する法律に、日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品等の売買契約等の締結を勧誘することの禁止、いわゆる過量販売規制が導入された。しかし住宅リフォーム工事においては、工事の対象が、屋根、小屋裏、床下といった具合に個別の建物のさまざまな部位に及ぶことから、価格が大きくなり、消費者が被る損害も大きくなる傾向にある。そこで、訪問販売・電話勧誘販売における住宅リフォーム工事の役務提供に係る過量販売規制の要件に関する考え方を示した。

 過量販売規制における要件とされる「日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える」との要件を「超過要件」、「正当な理由がないのに」との要件を「正当な理由なし要件」、省令で規定する過量販売においてのみ要件とされる「著しく超えることを知りながら」「著しく超えていることを知りながら」との要件を「認識要件」とし、訪問販売、または電話勧誘販売における住宅リフォーム工事の役務提供に係る過量販売規制の要件に関する考え方を示した。

 床下、屋根、小屋裏、基礎、外壁といった、消費者が日常生活において通常直接的に使用しない部位について、同一住宅のうち3つ以上について工事を行なうこととなる契約を締結する勧誘があった場合、超過要件(日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える)該当性が認められるとした。
 この該当性を判断する場合、過去に工事を行なった事業者と、現在工事を行なう事業者が異なることもありうるが、超過要件は、事業者の異同にかかわらず客観的な累積の工事状況に即して検討することとなる、としている。

 そして、単一事業者による超過要件を満たした場合には、認識要件(「著しく超えることを知りながら」「著しく超えていることを知りながら」との要件)も満たしたものと考えられる、とし、過去に工事を行なったのが別の事業者であった場合は、その工事の事実や工事の内容等の把握が困難であったなどの個別の事情については、認識要件を充足しない特段の事情として検討することとなる、とした。

 なお、考え方では、過量販売規制の適用がなされる場合のあらゆる場面を網羅するものではなく、実際に役務提供事業者が行なった勧誘が過量販売規制の適用対象となるのかについては、個別事案ごとに留意する必要がある。

 詳細は同庁公表資料を参照。

 なお、これに伴い、事業者・消費者の双方に向けたチラシを公表した。事業者向け消費者向けのいずれもホームページで確認できる。

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