不動産ニュース / 開発・分譲

2022/11/1

「変身家具」、スマート技術実装のモデル住戸/UR

 (独)都市再生機構(UR都市機構)は10月31日、旧赤羽台団地(東京都北区)内で実証実験中のIoT・AI活用のモデル住戸4戸を、報道陣に公開した。

 2018年から行なっている東洋大学情報連携学部との共同研究の一環。同団地内にある登録有形文化財の保存住戸4戸を生活可能なモデル住戸として整備、実際に生活体験を行なう。今後、データ取得・分析(生活モニタリング)による実証実験を進め、IoTやAI等を活用したUR賃貸住宅への新たなサービスにつなげていく。

 同団地はJR「赤羽」駅徒歩10分に位置。41号棟1・3階の住戸を、カスタマイズモデル(101・102号室)、ベーシックモデル(301・302号室)として整備した。

 カスタマイズモデルは、1LDK・専有面積39平方メートルに100以上のセンサーを配置。人の動線、温度、湿度、気圧、CO2の測定ができる。設備はスマートスピーカーやスマートフォンなどでコントロールすることが可能。リビングには、コンピュータ制御でソファからベッドに変わる「変身家具」を設置。間仕切りが電動で動き、テレワークスペースや就寝スペースを確保できる。狭い空間を広く使えるよう、引き戸のみのドア構成とした。

 101号室は低年齢の子供1人の子育て世帯向けを想定。明るい白木中心のカラーコーディネートを採用、狭い中でも子供部屋を確保し、回遊性のある動線としている。玄関は二重の電子制御ドアを導入し、安全なスマート置き配スペースを実現している。
 高齢者夫婦世帯向けを想定した102号室は、ダークウッド中心の落ち着いたカラーコーディネートに。デジタル操作に不慣れでも使いやすい音声中心の操作ができる。玄関は自動ドアとし、スマートロッカーの機能を持つロボット家具を設置した。

 ベーシックモデルは、若年単身世帯、壮年パートナー世帯を想定し、一般的なUR賃貸住宅にスマート技術を導入。スマートロック・エアコン・カーテン・照明がAPI連携され制御できる。

 なお、同団地エリアでは、日本の都市の成り立ちやライフスタイルを学ぶ施設「URまちとくらしのミュージアム」を整備中。23年に開館予定。

ソファ部分が「変身家具」
ソファ部分を動かすことでベッド、ワークスペースを確保できる

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テレワーク

働き方のひとつで、情報通信機器等を活用して時間や場所の制約を受けずに柔軟に働く方法をいう。事業所に出勤せずに家で作業する在宅勤務、個人が委託・請負によって作業する在宅ワークなどがあるが、情報通信技術を幅広く活用することが特徴である。 テレワークにおいては、住宅が職場ともなり得る。

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