不動産ニュース / 開発・分譲

2022/11/4

日本初、5階建て純木造ビルのモデル棟を竣工

「5階建て純木造ビル」のモデル棟の外観
モデル棟の1階(店舗)のフロア

 (株)アキュラホームは5日、総合住宅展示場「川崎住宅公園」(川崎市川崎区)に日本初となる「5階建て純木造ビル」のモデル棟をオープン。中規模木造建築物を全国各地で展開する「Re:Treeプロジェクト」を本格スタートする。

 同社が開発した「普及型純木造ビル」の手法を採用。一般流通材料と住宅用木材プレカット加工技術により、特殊な技術や資材、金物等を使用することなく、普及材・普及工法によって十分な耐震性を備えた中規模木造建築物を実現する。2016年には同社埼玉北支店(地上3階建て)、17年にはつくば支店(地上2階建て)を同手法で建設している。

 5階建てのモデル棟は、都市部での建築を前提に、1階を店舗、2階をオフィス、3階を賃貸住宅、4・5階をオーナー住居に設定。延床面積は439.53平方メートル。フロア面積は、1階が97.28平方メートル、2~4階が96.78平方メートル、5階が51.91平方メートル。

 9月には、同モデル棟を再現した建物で世界初の「5階建て純木造ビル耐震実験」を実施。国の基準である地震波で倒壊・損傷なしの実証データを取得した。モデル棟の建築費は、同規模の鉄骨造や鉄筋コンクリート造の同程度。施工段階でのCO2排出量は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の約2分の1である105.4t、炭素貯蔵量は約84t-CO2(CO2換算)にとどまることも計測している。

 4日に開催した会見で、アキュラホームグループ常務執行役員の井草健二氏は「純木造ビルに対しては、コスト・工法・安全性の偏見の壁があった。今回のモデル棟の開発によって、高い安全性、汎用性の高い工法を体現した。コストは、耐火構造の合理化等によって、同規模の鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して、約3分の2程度に抑えられるような研究を進めていく」と話した。構造計算についても、大学やソフトウェア企業と連携し、簡易に算出できるシステムを開発しているとした。

 Re:Treeプロジェクトでは、同モデル棟をプロトタイプとして、都市部での中規模木造建築物の受注促進を図る。来年春~夏にかけて、錦糸町の住宅展示場(東京都墨田区)で、同じく5階建ての純木造ビルのモデル棟に着工する計画。千葉県や埼玉県においてもモデル棟を建設していく。

 なお、同社は、さいたま市西区において、同社新本社ビルとなる8階建ての純木造ビルを建設中。24年の完成を予定する。

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大規模建築物

建築基準法第6条第1項第2号と3号に定める一定の大規模な建築物のことを「大規模建築物」と呼んでいる。具体的には次の2種類がある。

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