不動産ニュース / イベント・セミナー

2022/11/21

「女性が生き生きと働ける職場に」/WBNがセミナー

 (一社)日米女性ビジネスネットワーク協会(WBN)は19日、「女性が働き続けるために、私たちができること」をテーマにオンラインセミナーを開催した。

 冒頭、荒木労働衛生コンサルタント事務所所長で産業医の荒木葉子氏が講演。同氏は、女性従業員の約4割が女性特有のメンタル面の不調、妊娠や妊娠、出産などにより「職場で何かを諦めなくてはならないと感じた経験がある」という調査結果を発表。その事実を踏まえ、女性が健康に幸せに働き続けるためには「健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用できる能力(ヘルスリテラシー)を向上させることが重要」とした。また、健康と政治・経済は密接につながっており、女性が生き生きと働き続けるためには「自分には関わりがないと諦めず、知恵を絞り、無理をせず、我慢をせず、したたかに行動していくことが必要」とアドバイスした。

 引き続き、三井不動産(株)専務執行役員で元国土交通省大臣官房建設流通政策審議官の海堀安喜氏が、「働く女性を支えるために~女性活躍推進の現状と課題」をテーマに講演。女性が活躍できる環境を整備するために、「仕事と生活の調和」「上司・部下の間のフィードバック」「オフ時間を含めた情報共有」が課題となると言及。その上で、「まずは日本における男性と女性の生活環境を是正する必要がある。女性が家庭と両立しながら生き生きと働ける職場づくりのために、社員の多様化や変化への対応と、守るべき組織風土の見極めが重要となる」との考えを述べた。

 最後に、講演者2人に加え、米国在住でHawaii5-0Group Inc.代表・同協会理事のDr.キャサリーン・カガワ氏、米国在住で哲子公認会計士事務所公認会計士・同協会会員のホー・哲子氏、北澤商事(株)代表取締役会長・同協会理事の北澤艶子氏がディスカッションを実施。「Well-being」の3つの視点(働きやすさ、働きがい、仕事のあり方)から意見を交わした。

 「女性にとっての働きやすさ」では、北澤氏が「仕事をする上では、すべてにおいて“心持ち”が大切。自分の仕事が楽しいと感じられなければ、幸せにも健康にもなれない」と話した。また、「女性の働く環境をしっかりとつくることが必要」(海堀氏)、「子育てをしている女性に“安心して仕事ができる場所”を提供することが大切」(ホー氏)など、働きやすさには職場環境の整備が不可欠であるとした。
 「働きがい」については、「働きがいは与えられるものではない。自分自身を知ることが重要で、“軸”を理解していない場合はすべてが他責的になり、いい結果にはつながらない」(荒木氏)、「上司や同僚と一緒にがんばる気持ちがあれば、一つのゴールに向かって仕事ができる」(キャサリーン氏)、「努力に見合った適切な報酬を与えることも働きがいにつながる」(ホー氏)といった意見が挙がった。

 「仕事のあり方」では、コロナ禍で変化したことを交えながら、「デジタル化が進展したことは大きなメリット。使える技術を最大限活用することにより、少ない労働人口で生産性を上げる手段となる」(海堀氏)、「テレワークやZoomの導入で時間の融通が利くようになり、以前よりストレスのない環境で仕事を進めることができるようになったのでは」(キャサリーン氏)などの意見が出た。
 また、北澤氏は「コロナ禍で“働くこと”への意識が変わった。自宅にいながらきちんと仕事ができることが分かり、悪いことばかりではなかったと感じている」と話し、荒木氏が「いつ何があっても自分の強みを理解し、セルフコントロールを覚えていくことがこれからの時代には必要となるのでは」と締め括った。

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