住友不動産(株)は25日、31日に全面開業を迎える大規模複合施設「羽田エアポートガーデン」(東京都大田区)の開業式典を開催。同日に開業する商業エリアを関係者に公開した。
同施設は、京浜急行空港線・東京モノレール「羽田空港第3ターミナル」駅に直結。敷地面積約4万3,000平方メートル。地上12階建て、延床面積約9万1,500平方メートル。羽田空港の24時間運用を踏まえた宿泊施設等の整備を目的とした民間開発事業者として16年に同社が選ばれ、国から期間50年で土地を借り受け、18年に施設整備に着手。20年3月に竣工し、同年4月の開業を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響によるインバウンドの激減から、開業を3年間延期していた。
施設のうち、エアポートホテル「住友不動産ホテルヴィラフォンテーヌプレミア羽田空港」(160室)、「住友不動産ホテルヴィラフォンテーヌグランド羽田空港」(1,557室)、温浴施設「泉天空の湯」、イベントホール「ベルサール羽田空港」は、2022年12月21日に先行開業。商業エリア「住友不動産ショッピングシティ羽田エアポートガーデン」と「羽田エアポートガーデンバスターミナル」の31日開業で、全施設が揃う。
31日開業する商業エリアは、施設1・2階の2フロア構成。「日本文化の発信」を全体テーマとしており、全国各地の名産品が揃う「Japan Promenade(ジャパンプロムナード)」、土産物店や雑貨店が参道のように軒を連ねる「羽田参道」、旅行をサポートするアイテムを揃えた「Haneda Collection」、バラエティに富んだ飲食店が並ぶ「Haneda Food Selection(ハネダフードセレクション)」など約80店舗が出店。開業が延期されたにもかかわらず、95%のテナントが当初予定通り出店した。施設1階のバスターミナルからは全国の観光地に向けた直行バスが1日30便運行され、ホテル宿泊者や空港利用者の観光地への送客と、地方都市から施設への集客を担う。
開業式典には、同社グループ関係者のほか、来賓として国土交通省航空局長の久保田雅晴氏、大田区長の松原忠義氏などが参加した。同社を代表して挨拶した住友不動産ヴィラフォンティーヌ(株)代表取締役社長の桝井俊幸氏は「この施設は、グループの総力を結集して作り上げた。多摩川を挟んだ対岸のキングスカイフロントや近隣の羽田イノベーションシティとも連携し、羽田空港のポテンシャルを最大限引き上げるべく尽力していく」と意気込みを語った。
また、来賓として挨拶した久保田航空局長は「宿泊機能、国際交流機能、都市観光機能など多様な機能を持つ本施設は、外国人観光客だけでなく、全国各地からの観光客、地域住民が満足する施設になると確信している。水際対策の緩和で国際線ターミナル利用者も回復基調にある。空港は、外国人観光客が最初に訪れ、最後に訪れ、日本の印象を決める大切な場所だ。より良い印象を持っていただけるよう、おもてなしの精神で質の高いサービスを提供してもらいたい」などと激励した。