不動産ニュース / 開発・分譲

2023/4/4

「間取りのない家」伊藤忠都市・西葛西が好発進

「クレヴィア西葛西」完成予想図
可動収納。部屋の広さに応じ1戸3~4台を設置。高さは天井とほぼ同じで、上下のストッパーで固定することで地震にも耐える。また、梁下には専用収納が用意される
リビングと隣接する洋室とを仕切るウォールドア。扉が組み込まれており、T字、L字、全開状態で固定できる

 伊藤忠都市開発(株)は、ウォールドアと可動収納による「間取りのない家」を提案した新築分譲マンション「クレヴィア西葛西」(東京都江戸川区、総戸数49戸)の1期25戸の販売を3月末に行ない、20戸に契約・申し込みが入った。

 同物件は、東京メトロ東西線「西葛西」駅徒歩6分に立地する、鉄筋コンクリート造地上12階建てのマンション。建物の断熱性能を向上させたほか、節水効果の見込める高効率機器の採用等で「低炭素建築物」の認定を取得する。竣工は2024年2月中旬予定。

 「間取りのない家」は、家族構成の変化など新たなライフステージへの対応、季節ごとの居室レイアウトの変更、来客時の対応等を目的にしたプランで、3LDK・39戸で用意。キャスターで自由に移動・固定できる可動収納を広さに合わせて3~4台提供。これと、間仕切りを自在に変更できるT字型のウォールドアを組み合わせ、自由に間取りを変更できる。販売を行なっている「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(東京都千代田区)に、可動収納とウォールドアの実物を設置。専有面積71平方メートルのAタイプ(3LDK)を例にとり、専用パンフレットも使いながら来場者に説明。また、物件ホームページやギャラリーでは動画による物件紹介も行なっている。

 Aタイプは、3つの洋室とファミリークローゼット部分の床を強化し、その範囲であれば可動収納が自由に動かすことで部屋のレイアウトが変えられる。また、LDKと隣接する2つの洋室のウォールドアを動かすことで(1)ウォールドアをすべて収納し、23畳超のLDKとする、(2)(3)洋室一つとLDKをつなげて使う、(4)洋室2つをつなげて使う、(5)すべて独立した部屋として使う、の5パターンのレイアウトができる。梁下は専用の収納しか固定できないが、将来的には、収納の追加販売も行ない、さらに多様な住まい方を提案する。

 住戸は、1フロア4・5戸。1LDK・3LDK、専有面積約33~71平方メートル。二重床二重天井、天井高2,450mm。ディスポーザー、食洗器、床暖房などが標準。スマートフォンでエアコンや床暖房、照明のオンオフ、浴槽のお湯張り、室内の映像確認等の操作ができるIoT設備を全戸に導入する。

 22年9月にホームページをオープンし、現在までのエントリー数は850件。23年1月にモデルルームをオープンし、現在までの来場は120組。1期の坪単価は約350万円。現在先着順で販売中の5戸は、専有面積68~71平方メートル、販売価格6,890万~7,580万円。1期の購入者は、江戸川区を中心とした東西線沿線在住者、30~40歳代のDINKS・プレファミリーがメイン。購入者の評価ポイントでは、立地の次に価格ではなく「(広さも含めた)間取り」が入るなど、可変プランの評価も高かった。2期の販売スケジュールは未定。

Aプランの間取り。縦に並んだ3つの洋室の床が強化されており、可動収納はその範囲を自由に移動できる。また、LDKと2つの洋室を仕切るウォールドアを動かすことで、リビングの広さやレイアウトが変えられる

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