不動産ニュース / 開発・分譲

2023/6/16

広域渋谷圏開発は面的拡大。再エネ事業さらに伸長

「再生可能エネルギー事業を通じて地方の課題解決がビジネスとなるとわかった」と話す星野新社長

 4月1日付で東急不動産(株)の代表取締役社長に就任した星野浩明(ほしの・ひろあき)氏がこのほど、専門誌記者と会見し、今後の事業戦略の方向性等について語った。

 星野氏は「当社の歴史は長く、オフィスビル事業、住宅事業、リゾート事業などそれぞれが柱となり、社員たちはその柱をさらに成長させていこうというマインドを持っている。各事業は『ユニット』としてまとまり、ユニット同士が相互協力もしているが、社員全体が一つのチームになっているわけではない。どのようなプロジェクトでも知恵を一つにし、事業の幅をいかし新たな事業を生み出す。全社一丸、『ユナイト(結合)』を目指してほしいと、各ユニットのリーダーや管理職にお願いしている」などと抱負を述べた。

 東急グループが総力を上げて取り組んでいる広域渋谷圏の再開発については「駅周辺の再開発はすでに仕上がりが見えてきた。今後はエリアに点在する施設をつなぐように新たなプロジェクトを立ち上げ、面的な拡大を図る」としたうえで「流行の最先端、文化の発信地という渋谷のカルチャーを牽引するエリアを目指す。単に建物を高層化するのではなく、こうした渋谷のカルチャーをさらに際立たせるソフト面の取り組みにも注力する」とした。

 オフィス事業は「渋谷エリアに関しては需給が緩和する気配はない。IT企業などいち早く出社に切り替えており、健康経営の流れの中、オフィスにゆとりを持たせるための増床ニーズもある。ネットワーク型の働き方や、新たなビジネスのためのプロジェクトが仕事をする場所としてのサテライトオフィスニーズも拡大している。今後開発するオフィスビルには、こうしたオフィスを併設していく」と語った。

 住宅事業では「建設費の高騰を吸収するため、高くても評価される商品を、ハイエンドユーザー向けに販売していく。東京では山手線の内側を中心に、大阪圏など地方都市では駅前再開発等に積極的に取り組んでいく。価格が高騰し、一次取得者は分譲住宅に手が届きにくくなっているが、こうした層に向けてはグループ会社を通じて賃貸住宅の供給にも注力したい」とした。

 他社に先駆け取り組んできた再生可能エネルギー事業は「これまで太陽光発電施設を中心に、89ヵ所、発電量は1,582メガワットに達している。再エネ事業は採算性が課題だが、地方創生にも貢献できるので投資を続ける。地域に入り、地域課題を知り、まちおこしにつながるような事業を展開したい」とした。

 また、再エネ事業や住宅事業で協業していくJR東日本との提携については「JR東日本の地方の遊休地に再生可能エネルギー施設を建設していく。また、首都圏郊外の社宅跡地を活用して、再生可能エネルギーのまちづくりを行なう。協業のための専門部署も設け取り組んでいく」とした。

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