デジタル技術によって暮らしの利便性を向上させる「スマートホーム」サービスの開発等を手掛ける(株)アクセルラボ(東京都新宿区、代表取締役:小暮 学氏)は9日、「スマートホーム市場調査2023」の結果を公表した。
黎明期にある国内スマートホーム市場に関する調査データが少ないことから実施している調査。不動産関連事業者および消費者にアンケートを実施し、事業者の取り組み状況や消費者の実態把握を行なっている。今回は4月21~26日にインターネットアンケートを実施。事業者が825サンプル、消費者が618サンプル。
不動産事業者に対して、スマートホーム物件の販売・賃貸、建築材料としてのスマートホームの取り扱いなど、事業としてのスマートホームへの取り組みを聞いたところ、「取り組んでいる」という回答が44.61%に上った。業種別では、ディベロッパーが60.19%、ハウスメーカーが62.14%など、物件設備の決定権を持つ業種では、積極的に取り組まれている様子が読み取れた。このほかの業種は、ハウスビルダー50.0%、工務店27.18%、設計事務所51.72%、管理会社33.01%、建材商社31.87%だった。
また、「取り組んでいる」と回答した企業に対し、スマートホーム関連売り上げの変動について聞くと、「増加」が22.83%、「やや増加」が50.27%と、合計70%超が増加傾向にあると回答した。業種別では、取り組み率の高かったディベロッパー(75.81%)、ハウスメーカー(75.00%)だけでなく、取り組み率が低かった工務店でもスマートホーム関連売り上げが増加傾向にあると回答したのが78.57%に上った。
一方、消費者に対して、スマートホームの認知状況について聞いたところ、名称・内容ともに認知が37.2%となり、19年に行なった同様の調査での12.9%から大きく増加した。名称のみ認知しているのは29.5%(19年調査比14.0ポイント低下)、非認知が33.3%(同10.2ポイント低下)となった。
利用状況について聞くと、導入済みは4.03%(同2.23ポイント増)、検討中が9.66%(同2.24ポイント増)、未検討・不明が86.31%(同3.88ポイント減)となった。同社では、「一定の普及が進んだと考えられる」とコメントしている。
アンケートの回答から、スマートホームの利用者像を分析。サンプル全体の平均値は、年齢45.2歳、年収373万円で、職業は会社員16.0%、パート・アルバイト15.8%、専業主婦(主夫)14.7%だったのに対し、スマートホームを導入済みの層は、年齢39.4歳、平均年収490万円、職業は会社員(技術系)23.3%、会社員(事務系)19.6%、会社員(その他)18.4%となった。「導入理由で『新しい技術に触れてみたかった』という回答が多かったこともあり、スマートホームに対するリテラシーが高く、しかも『なくても困りはしないもの』を導入できる資金的余裕がある人がスマートホームをいち早く導入していると考えられる」(同社)とした。