小田急不動産(株)、omusubi不動産((有)トノコーポレーション)は26日、「小田急ありのまま賃貸~空き家活用DIY賃貸~」の第1号物件に、古民家スタジオ「studio ICHI」が28日にオープンすると発表。開業に先立ち、メディアに内部を公開した。
「小田急ありのまま賃貸~空き家活用DIY賃貸~」は、小田急不動産が物件オーナーから空き家を借り上げ、omusubi不動産がDIY可能な賃貸物件として転貸するサービス。小田急線沿線の価値向上や東京・神奈川エリアの空き家課題の解決を目的に、両社が2023年4月に締結した空き家再生に関する「基本協定書」に基づく取り組み。
第1号物件は、東京メトロ有楽町線・都営大江戸線「月島」駅より徒歩3分に立地。延床面積約42平方メートル、2階建て。築年数は約100年。物件オーナーが相続後、活用に苦慮し、小田急不動産に相談。「何代にもわたり受け継いできた家で、現況をなるべく変えたくない」との要望を受け、同サービスによる運用を提案し、承諾を得た。23年7月、物件近隣の中央区佃に本社を置き、イベント企画・運営、アーティストのマネジメント等を手掛ける(株)ICHIMILEの入居が決定。同社が内装をDIYした上で、同社所属の殺陣パフォーマンス集団「刀屋壱」がプロデュースする古民家スタジオとして運営する。
従前の外壁、建具等は可能な限り残しながら、襖や壁紙等は交換。襖は既存の骨組みを生かした。キッチンは表面を磨いた上で既設のものを再利用。その他の故障個所については、廃材等を使用することで環境にも配慮した。家具や置き物の一部は、「刀屋壱」のメンバー等が手持ちの骨董品を持ち寄り、展示している。営業時間は10~18時、利用料金は3,500円/1時間(3時間から利用可)。
小田急不動産仲介事業本部仲介営業部サブリーダーの田中壮怜氏は「当社は16年よりサブリース事業『小田急の安心サブリース』を展開するなど、沿線の空き家課題の解決に注力してきたが、築古物件は対象外だった。より業域を拡大しようと、約250件のDIY物件の供給実績を有するomusubi不動産に声を掛け、共同で空き家活動に取り組むこととなった。今後も小田急線沿線を中心に物件の拡大を図っていきたい」等と語った。