不動産ニュース / 開発・分譲

2023/10/25

JR東、高輪再開発で東京大学との協創拠点

「東京大学 GATEWAY Campus」ラボエリアイメージ

 東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)と国立大学法人東京大学は25日、100年間の産学協創協定を締結した。

 2者は同協定を基に、「プラネタリーヘルス」の創出を目的とした協創プロジェクト「Planetary Health Design Laboratory」(以下、「PHD Lab.」)を発足。JR東日本グループの駅・鉄道といったインフラを実験場に実証実験に取り組んでいく。「プラネタリーヘルス」とは、人の経済活動が、健康や都市環境、地球上の生物・自然に与える影響を分析し、「人・まち・地球」のすべてがバランス良く良好に保たれるような暮らしづくりを目指す考えのこと。

 「PHD Lab.」の拠点として、2024年度末に開業予定の「TAKANAWA GATEWAY CITY」(概要は23年5月のニュースを参照)の「複合棟I South」9階に、日本初のプラネタリーヘルスをテーマにしたキャンパス「東京大学 GATEWAY Campus」を開設する。コラボレーションエリアおよびラボエリアを設け、東京大学のさまざまなキャンパス(本郷・弥生、駒場、柏、白金台など)と連携しながら、さまざまな企業・アクセラレーターとの協創を促進していく。

 併せて、「TAKANAWA GATEWAY CITY」内でさまざまな実証実験を行なう。農学・環境学の面では、約2.7haの在来種を基調としたグリーンを用いて都市型緑化を目指す。食の分野では、オフィスワーカー向けの食堂等で培養肉など東京大学発のサステナブル食材を提供し、顧客のニーズを反映した未来の食材開発に取り組む。医学・先端科学の面では、「住宅棟」(25年度開業予定)の居住者向けに、最先端の睡眠解析アルゴリズムを取り入れた快眠につながるサービスや、非接触の動作解析システムを実装したフィットネスサービス等を提供していく。

 JR東日本代表取締役社長の深澤祐二氏は「『TAKANAWA GATEWAY CITY』だけでなく、地方の駅施設や走行中の鉄道車両等も実験フィールドに、東京大学の多様な『知』の実証を行なう。当社グループのモビリティ事業、オフィス・商業等の生活ソリューション事業にもイノベーションをもたらしながら、100年先の心豊かな暮らしづくりを実現していきたい」と語った。

25日に実施した調印式の模様。左がJR東日本代表取締役社長の深澤祐二氏、右が東京大学総長の藤井輝夫氏
JR東日本が開発を推進する「TAKANAWA GATEWAY CITY」完成イメージ。「複合棟I」および「高輪ゲートウェイシティ」駅周辺エリアが24年度末、その他の棟および各棟周辺エリアが25年度中の開業を予定する

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