不動産ニュース / 政策・制度

2023/10/25

全政連、宅議連に税制改正・政策要望を提出

全政連の役員や国会議員らが出席した

 (公社)全国宅地建物取引業協会連合会の政治団体である全国宅建政治連盟(全政連)は25日、都市センターホテル(東京都千代田区)にて自由民主党の宅地建物等対策議員連盟(宅議連)との合同総会を開催。令和6年度土地住宅税制・政策に関する要望を行なった。全政連の役員約50人のほか、衆参両院の国会議員約120人・国土交通省幹部らが参加した。

 冒頭、宅議連会長の衆議院議員・山本有二氏が挨拶。「昨今の土地価格の上昇、住宅資材の高騰、労務費の上昇などの事情を鑑みると、これからは従来の価格では家が買えないという時代になる。何らかの措置がなければ、住宅の取引が低迷してしまう。経済波及効果の大きな住宅市場が鈍化することは、日本経済の鈍化につながってしまう。各位の協力を求めたい」などと述べた。

 全政連会長の瀬川信義氏は、「銀行の不動産業参入は以前よりご支援いただいているが、銀行の保有する不動産の賃貸業務については、各地で事例が報告されている。引き続き金融庁の厳格な運用を求めたい」などと挨拶した。全宅連会長の坂本 久氏も挨拶し、「一昨年の税制改正で環境性能に応じた住宅ローン控除の借入限度額の上乗せ措置が盛り込まれたが、2年前と現在とでは経済状況や住宅価格が全く違う。不動産市場に悪影響を及ぼすことが考えられる」などと語った。

 総会では、全政連側から令和6年度の税制改正および土地住宅政策等に関する要望書を宅議連に説明。(1)住宅ローン控除の住宅の環境性能等に応じた借入限度額の上乗せ措置および床面積要件の緩和特例の延長、(2)土地に係る固定資産税・都市計画税の負担調整措置および条例減額制度の延長、(3)新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長、(4)不動産取得税に係る特例およびその他各種税制特例措置の適用期限の延長、(5)銀行の不動産仲介業参入および保有不動産の賃貸自由化の阻止、の5点を重点要望事項として盛り込んだ。

 (1)については、全国的な地価高騰や原材料価格の高騰による住宅価格の上昇等を勘案し、住宅ローン控除の借入限度額の引き下げや床面積要件の緩和措置を廃止した場合に住宅購入者の買い控えや負担増につながることから強く要望する。(2)についても、全宅連が全国の宅建業者409社を対象に実施したアンケートで、「影響がある」という回答が7割近くに上っていることから、適用期限延長を求めていく。

 これに対して、国土交通省からは、「住宅ローン控除の借入限度額上乗せは、金利・価格の上昇を考えると、必要な制度だと考えており、継続を強く訴えていきたい」などといったコメントが聞かれた。

全政連会長の瀬川信義氏
宅議連会長の山本有二氏

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