不動産ニュース / 開発・分譲

2023/11/21

中央住宅、草加松原で全棟ZEHの分譲住宅地

「ときの環 草加松原」完成予想図
平屋建てモデルハウス(建物面積92平方メートル)。リビング上部をロフトとして使用。最大天井高は4,400mm
景観協定に基づき住民で管理していく協定緑地。ベンチ内には防災グッズを収納している

 (株)中央住宅は20日、開発中の分譲住宅地「ときの環 草加松原」(埼玉県草加市、全25棟)を報道陣に公開した。

 同物件は、東武スカイツリーライン「獨協大学前」駅から徒歩19分に立地。土地面積は120.20~207.73平方メートル、建物は木造軸組工法平屋建て、2階建て。建物面積は約87~107平方メートル。現在、平屋建て1棟、2階建て1棟がモデルルームとして竣工済み。残りは12月中旬~2024年5月下旬にかけ竣工予定。引き渡しは24年1月下旬~7月上旬。

 建設地は駐車場跡地で、南北に細長い台形。駅からのルート上に交通量の多い日光街道が通り、敷地上は送電線が走り、かつ市の遊歩道(水路を暗渠化したもの)が敷地を分断しているなど、住宅開発には不利な要素が多かったため、敷地および周辺の環境を回復させる目的で草加市では初となる景観協定を締結。各棟の開発道路に面したスペースに、協定に基づく「協定樹林」を5本植樹し、住民同士で維持管理する「グリーンベルト」を形成する。敷地全体の緑被率は20%に達する。

 また、街区の南東端に協定緑地を配置し、防災グッズを備えるほか、遊歩道に面して提供公園を配置。遊歩道に面した住戸の敷地も植樹する。これらの緑を維持していくため、良好なコミュニティ形成支援を目的に、同社が2年間にわたりガーデニング教室等のワークショップやイベントの企画・開催、ガーデニングアドバイザーの派遣等のコミュニティ形成をサポートする。

 敷地の南北方向に、幅6mの開発道路を入れ、送電線の鉄塔を交わすように道路をクランク。送電線の直下には平屋建て7棟を配している。全棟に、太陽光発電パネル(4.1~5.4kw)を設置するほか、同社オリジナルの蓄熱床暖房システムやハイブリッド給湯・暖房システムなど高効率の設備機器を導入。建物躯体の断熱性能を高め、全棟での「ZEH」を実現した。住宅地全体のZEH化は同社では初。併せて「認定低炭素住宅」も取得し、標準的な住まい(2025年基準)と比較して、年間光熱費換算で約60%削減する。

 6月末にホームページを開設。エントリー数は100件超。8月10日~1期11棟、10月13日~2期9棟、10月27日~3期5棟を発売。残り6棟まで販売が進んでいる。販売価格は、3,980万~5,580万円。検討者の3割が地元草加市、川口市、東京都足立区など周辺エリアが3割。駅前のマンションからの住み替え検討者や、高スペックの建物を評価しての注文住宅との併行検討者なども目立った。

 なお、今回の全棟ZEHへの取り組みで建物躯体のZEH化の知見が得られたことから、ポラスグループ全社で、今後着工する分譲住宅の建物躯体についてはZEH水準を標準化していく方針。

提供公園は市の遊歩道に隣接。遊歩道沿いの各棟の敷地も植樹する
同社オリジナルの「蓄熱床暖房」の効果をサーモグラフィで確認。写真は3時間前に床暖房スイッチを切った床を写したもので、青い部分は床暖房の切れ目。黄緑色の部分は20度以上ある。蓄熱材に5時間熱を溜めることで、24時間20度以上を保つ。導入コストは戸当たり20万円

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ZEH

年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量がおおむねゼロ以下となる住宅。ZEHは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、和製英語である。

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