不動産ニュース / 仲介・管理

2024/5/16

大和ハ、26年度にストック事業売上高4,000億円へ

 大和ハウス工業(株)は、「Livness(リブネス)」ブランドで展開する不動産ストック事業に関するプレス向け説明会を実施した。

 同社は2018年に不動産ストック事業の総合ブランドとして「リブネス」を立ち上げ。当初は戸建て・区分マンションを対象に事業展開していたが、現在は自社施工のアパートや事業施設など、あらゆるジャンルの不動産について売買仲介・買取再販・リノベーション等を手掛けている。
 23年度のリブネス事業全体の売上高は3,537億円。内訳は住宅系が2,604億円、事業施設系が933億円。ただし、住宅系には2月まで連結対象だった(株)コスモスイニシアの実績約400億円が含まれている。また、リフォームの売上高が1,730億円、買取再販が1,425億円、仲介が99億円、その他283億円と、約9割をリフォームと買取再販が占める。
 今後、26年度のリブネス事業全体での売上高目標を4,000億円に設定し、住宅系の買取再販と、事業施設系の案件獲得(15日付のニュース参照)に力を入れていく。将来的には売上高1兆円規模の事業へと成長させる。

 住宅系の買取再販では、全国で既存戸建て・既存マンションを仕入れ、リノベーションした上で販売。買取再販戸建ての販売件数は、22年度に77件、23年度は104件と大きく成長しており、同年度の1棟当たり平均価格は3,483万円で、新築分譲(5,244万円)と仲介取扱単価(2,389万円)の中間の水準となっており、新築住宅に比べて安定している点も特徴だという。
 同社東京本社経営戦略本部リブネス事業推進部部長の平井聡治氏は「空き家も増加し、当社に寄せられる空き家対策の相談も増えている。そうした、事業拡大の余地が大きい買取再販事業を強化していくつもり。ただ、戸建ても区分マンションも買取業者による仕入れ競争が激化しており、価格も上がっている。無理な値付けでの買い取りはせず、仲介として売却をお手伝いする提案もできるのでお客さまに選択していただきたい」と話す。

 また、最新の買取再販事例の見学会も実施し、6月に販売開始予定の東京都世田谷区の物件を公開した。東急田園都市線「用賀」駅徒歩12分の第一種低層住居専用地域に建てられた06年築の他社施工の木造軸組の邸宅で、敷地面積は303.57平方メートル。延床面積173.78平方メートルで、間取りは4LDKで2つのウォークインクローゼットと小屋裏収納を備えている。

 2,140万円を掛け、間取り変更を含む大幅な改修を行なった。間取り変更は、水回りの集約や、キッチンとリビング・玄関の回遊性を確保するなど、効率的な家事動線を構築した。また、リビングのアクセントウォールや玄関ウォールなど随所にアップサイクル材を採用することで、地球環境への配慮にもつなげている。無垢の床材や樹脂サッシなどは従前のものを継続して使用している。

 販売価格は2億5,800万円(税込)。外国人を含む富裕層にアプローチしていく。すでに数件の問い合わせが入っているという。

閑静な住宅街に建つ買取再販物件
買取再販物件のリビング。サッシや無垢の床材を残しつつ、間取り変更などを行なって再生した
リビング脇の壁のクロスにはアップサイクル材を使用した

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