(公社)全国宅地建物取引業保証協会は5月31日に第一ホテル東京(東京都港区)で開いた理事会で、「相談・苦情解決・弁済業務におけるカスタマーハラスメント対策」の策定を報告した。
同協会の相談・苦情解決・弁済業務に当たっては、全国47地方本部・不動産無料相談所を窓口として対応しているが、近年は一部の利用者等から担当役職員や相談員に対して「明らかに必要性のない言動」「手段として不適当な言動」等、いわゆる「カスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」)」に該当する事例が見受けられ、担当者の就業環境が害されるケースが散見されるという。そこで今回、同協会におけるカスハラへの対応に関する方針として、対策を策定。同協会ホームページに掲載する。
利用者等による暴言・暴力があった場合は、手続き業務を中止するほか、悪質な場合は警察・弁護士と連携して刑事・民事上の手段によって対処していくことを明文化。対象となる行為についても、担当者に対する暴言・暴行などだけではなく、過剰・不合理な要求、合理的範囲を超える時間的・場所的拘束、各種ハラスメント行為、SNSへの担当者氏名公開や同協会・担当者の信用を毀損する行為などを具体的に示した。
これら「発生後」の対策に加え、カスハラの未然防止も図っていく。具体的な対処方法をとりまとめ、同協会全体で情報共有するほか、会員を対象とした業務研修会を実施。電話音声ガイダンスや録音機能のある電話機等の設置、防犯カメラの設置、相談等スペースの安全対策、複数人対応の整備など、組織体制も整備する。