国土交通省は26日、2023年度の地籍調査の状況を公表した。
土地の境界や面積などの基礎的な情報である地籍は「土地の戸籍」とも呼ばれ、同調査は1951年の国土調査法制定から、市町村が主体となって推進。地籍の明確化は、土地取引の円滑化のみならず、災害からの早期の復旧・復興や効率的なインフラ整備、まちづくり等を進める上で大きな役割を果たしている。また、地籍調査の成果は、自治体が保有するGIS等にも取り込まれ、行政サービスの効率化に寄与。法務局へも送付され、登記記録の修正や登記所備付地図として利用されている。
23年度の調査実績は692平方キロメートルで、前年度を81平方キロメートル下回った。同年度末時点での進捗率は、全国の「地籍調査対象地域」(全国土面積から国有林野、および公有水面(湖沼や河川等)の面積を除いた地域)で53%、「優先実施地域」(土地区画整理事業等により一定程度地籍が明確化された地域、土地の取引が行なわれる可能性が低い地域を除く地域)で80%。現在、地籍調査は第7次国土調査事業十箇年計画(20~29年度)に基づき進められており、20~23年度末までの実績は3,131平方キロメートルとなっている。
20年の制度改正により、高精度な空中写真や航空レーザ測量等のリモートセンシングデータを利用することで、現地に行かずに調査できる手法(航測法)を新たに導入。23年度は36市町村・44平方キロメートルで実施され、林地全体の実施面積(508平方キロメートル)の9%を占めた。当該手法の対象地域の拡大等を実施し、引き続き効率的な地籍調査を推進していく。