中央日本土地建物(株)は、木造化・木質化オフィスビル「(仮称)西新橋一丁目プロジェクト」(東京都港区)を15日に着工する。
同社グループが展開する中規模オフィスビル「REVZO」シリーズの第5弾。敷地面積は338.44平方メートル。鉄骨造・木造の併用による地上10階建て、延床面積は2,623.00平方メートル。竣工は2026年2月の予定。
同社保有林に自生するカラマツやクリーンウッド法で産地認証を取得した国産木材を計118立方メートル使用する。また、木造化・木質化によって、貯蔵されるCO2は約79t-CO2と想定している。
オフィスの天井には、(株)竹中工務店と日鉄建材(株)が共同で開発した、CLTとデッキ合成スラブを組み合わせた「KiPLUS DECK」を導入。開放感を演出する。柱の一部には、竹中工務店の耐火・木造技術「燃エンウッド」を採用。耐火性能を確保する燃え代層の木材部分を現しとする。天井高は約3,000mmを確保。各オフィスにはバルコニーも用意する。
1階には、ワーカーが自由に使うことができる共用ラウンジを設置。天井は、接着剤を使用せずダボで接合する木質素材をアーチ状に構成し、印象的な空間に。屋上には、庇とコンセント付きの木造ベンチを設置した緑化テラスを備える。
(公財)東京都農林水産振興財団による「中・大規模建築物の木造木質化支援事業」と「木の街並み創出事業」の対象事業に採択されている。また同事業では、CASBEEウェルネスオフィスSランク、BELSといった環境認証の取得も目指す。
12日の記者説明会で、中央日本土地建物投資開発部リーダーの津田祥子氏は、「同社として初の木造化・木質化オフィスビルの開発となる。今回のプロジェクトの結果を踏まえて、他のオフィスや住宅、物流施設の内装の木質化への転用を検討していきたい」と話した。