不動産ニュース / 開発・分譲

2024/7/18

渋谷サクラステージ、回遊性向上で人流4割増

「渋谷サクラステージ」外観
飲食店を中心に37テナントが新たに開業する
21日に供用開始となるJR「渋谷」駅新南改札。「渋谷サクラステージ」と渋谷駅東側エリアを結ぶ歩行者通路につながる改札。改札は3階部分で、4~6階にはJR東日本がオフィスや商業施設を開発する(26年度開業予定)

 東急不動産(株)は18日、同社が参加組合員として参画・開発を進めてきた複合施設「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」の新たにオープンする商業ゾーン等を報道陣に公開した。25日に一斉オープンする。

 同事業は、JR山手線他「渋谷」駅の南西に位置する桜丘口地区約2.6haの再開発。東急グループが進めてきた渋谷駅中心地区5街区での再開発のうち、最後発となる。2008年の準備組合発足から約10年かけ地権者の権利調整を進め、19年5月に着工し、23年11月30日に竣工。オフィスビルやホテル、一部の商業施設が先行オープンしていた(過去ニュース参照)。

 多様な機能を持つ施設と随所に設けた広場やイベントスペースを通じ、多様な世代が働き、住み・訪れる活力あるまちを目指す。同時に、国道246号線とJR線により東西・南北に分断され、地形の高低差が大きく周辺地区との回遊性が脆弱だったため、歩道橋デッキとアーバンコアを介した歩行者ネットワークを整備。21日にはJR「渋谷」駅の新南改札と西口地下歩道が使用開始となることで、複層の歩行者ネットワークが完成する。

 再開発によるエリア周辺の回遊性とアクセス性の向上は、すでに効果が表れており、同日会見した東急不動産代表取締役社長の星野浩明氏は「施設周辺だけでなく、代官山エリアへの移動もスムーズになったことで、新たな人の流れが生まれている。24年3月の施設周辺の人流は、着工前の19年3月と比べると43%増加している」と語った。ピーク時間帯(18~19時)での比較では、1ヵ月で10万人以上人流が増加しているという。

 25日にオープンする商業施設は37店舗。オープン済みの12店舗と合わせ49店舗となる。残り3区画と地権者店舗50店舗は順次オープンする。このほか、渋谷エリア最大級の書店「TSUTAYA BOOKSTORE」やゲームを起点にしたインディクリエイターのクリエイション拠点「404 Not Found」、会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート渋谷サクラステージ」などもオープンする。

 なお同社は、「渋谷サクラステージ」の南西側の街区で計画が進んでいる「ネクスト渋谷桜丘地区市街地再開発事業」にも事業協力者として参画する。

会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート」の最新施設も開業
「渋谷サクラステージの開業と歩行者ネットワークの整備でエリアの人流は43%増加した」と自信を見せる東急不動産・星野浩明社長

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