不動産ニュース / 開発・分譲

2023/11/24

渋谷駅中心地区再開発の「ラストピース」が竣工

「Shibuya Sakura Stage」の「SHIBUYAタワー」。駅周辺のデッキと直結。再開発地内を通ることで桜ヶ丘地区と駅とが同レベルでアクセス可能に
「SHIBUYAサイド」と「SAKURAサイド」の2つの街区の間は、代官山・恵比寿方面へ通じる新たな区道が作られる。両街区は歩行者デッキで結ばれる
エリアの縦動線となる「アーバン・コア」。東急不動産の複合ビル「渋谷フクラス」と地下道で結ばれる予定

 東急不動産(株)は23日、同社が参加組合員として参画し、渋谷駅桜丘口地区市街地再開発組合が推進してきた「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業(Shibuya Sakura Stage)」を報道陣に公開した。11月30日に竣工後、各施設を順次開業し、2024年7月26日にまちびらきイベントを行なう。

 同事業は、JR山手線他「渋谷」駅の南西に位置する桜丘口地区約2.6haの再開発。東急グループが進めてきた渋谷駅中心地区5街区では最後発となる再開発事業。08年の準備組合発足から約10年かけ地権者の権利調整を進め、19年5月に着工していた。

 オフィス・商業施設・ホテル・住宅・サービスアパートメント、子育て支援施設、起業支援施設、国際医療施設など多様な機能と、随所に設けた広場やイベントスペースを通じ、多様な世代が働き、住み・訪れる活力あるまちを目指す。また、国道246号線とJR線により東西・南北に分断され、地形の高低差が大きく周辺地区との歩行者ネットワークが脆弱なエリアの欠点解消へ、渋谷駅の新改札口へアプローチする歩行者デッキと縦軸動線「アーバン・コア」を整備。周辺地域・施設の回遊性を向上させる。

 渋谷駅寄りの「SHIBUYAサイド」は、地上39階建ての「SHIBUYAタワー」と地上17階建ての「セントラルビル」を、新たに開通する区道を挟んだ「SAKURAサイド」に地上30階地下1階建ての「SAKURAタワー」を整備。両サイドは歩行者デッキで結ばれる。SHIBUYAサイドの2棟は低層部が商業施設、8階以上がオフィス。SAKURAタワーは、低層部に商業施設、中層部はオフィス(5~14階)とサービスアパートメント「ハイアットハウス東京渋谷」(126室、6~16階)、16階以上が住宅「ブランズ渋谷桜丘」(155戸、うち東急不動産持分50戸)となる。オフィスは3棟合わせて約10万平方メートルと、エリア最大級。IT系企業やコンテンツ産業を中心に、すでに95%のテナントが決まっている。サービスアパートメントは、24年2月に開業予定。「ブランズ渋谷桜丘」はすでに完売。商業施設は100店舗(うち地権者50店舗)で、東急不動産保有分は全テナントが入居済み。

 渋谷の多様性をさらに引き出すため、まちの随所に設けた広場やイベントスペース、デジタルサイネージでまちを「メディア化」し、発信力を強化する。また、アーティストやクリエイター、スタートアップ支援を目的としたプログラムやイベントなど、ハードソフトの両輪でIT・クリエイティブコンテンツの創造と集積を図る。

 同日会見した東急不動産代表取締役社長の星野浩明氏は「このエリアは国道246号線とJR線によりまちと駅とが分断され、歩行者ネットワークも脆弱だった。この再開発は、100年に1度の渋谷再開発における渋谷駅中心地区のラストピース。25年という莫大な時間とリソースをつぎ込み、まちの分断、高低差の解消という120人の地権者の想いを紡ぎ、形にした」などと語った。

まちの随所に広場を設ける(写真は「賑わいSTAGE」LEDライトにより365日24時間異なる空間演出を行なう予定)
JR線で分断されていた歩行者ネットワークを整備。JR線をまたぎ東西を連絡する自由通路を2本整備。写真の北通路は、JR線の新たな改札口へも通じる
「25年の歳月と膨大なリソースをかけ、120人の地権者の想いを紡ぎ形にした」と話る東急不動産・星野浩明社長

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