国土交通省は、全国4つの指定流通機構が運営するレインズについて、物件の取引状況を示す「ステータス管理」への登録を、2025年1月から義務付ける。物件を売却しようとする消費者に向け同機能について説明したリーフレットも作成。積極的な活用を促し、同機能の実効性を高めていく方針。
「ステータス管理」は、一部の宅建業者による「囲い込み」(売り主・買い主双方の媒介を行なうことを目的に、故意に物件の取引状況を隠し、売り主の意向に反して物件の紹介を行なわない行為)の防止を目的に、16年に導入された。売却依頼主から媒介依頼を受けた宅地建物取引業者がレインズにステータスを登録。レインズを利用する他の宅建業者は取引状況を確認できる。取引状況は「公開中」「書面による購入申し込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の3種類で表示される。ただ、登録が義務付けられていなかったこともあり、実効性が低いと指摘する関係者も多かった。
そこで同省は、同システムの適正な運用を目的に、24年6月に宅地建物取引業法施行規則を改正。宅建業者に対して、「ステータス管理」の登録を義務付けた。また、売り主が自らの物件の取引状況を確認しやすくなるよう、レインズに物件を登録した際に宅建業者から売り主に交付される登録証明書に2次元コードを記載。売主専用画面へのアクセスを向上させる改修も行なう。
リーフレットでは、物件を売却しようとする売り主向けに、レインズやステータス管理機能の概要を分かりやすく紹介。実際の取引のフロー図や、物件の取引状況を確認することの意義や効果についても説明し、今回のステータス管理の登録義務化や売り主専用画面へのアクセス向上も踏まえ、売り主に物件の取引状況を積極的に確認するよう求めていく。同省の消費者向けのお知らせページにもリーフレットを掲載。宅建業者にも、実際の取引現場でステータス管理を活用するよう呼びかける。