三菱UFJ信託銀行(株)は29日、独自調査「2024年度 賃貸住宅市場調査」を公表した。
大手不動産管理会社などにアンケートを送付、約半数の21社から回答を得た。過去1年(2023年10月~24年9月)と現在、今後1年間(24年10月~25年9月)の賃貸住宅市場についてリポートした。
首都圏の成約賃料の推移を見ると、現在の賃料水準を100とした場合、シングル向け住戸は1年前は都心6区が94、都心6区以外の東京23区(以下、「23区」)が96、その他首都圏が97。一方で1年後は都心6区が106、23区が104、その他首都圏が103となった。ファミリー向け住戸についても1年前が都心6区93、23区94、その他首都圏96、1年後が都心6区108、23区105、その他首都圏104と、シングル・ファミリー共に賃料の上昇傾向が顕著にみられた。エリア別に見ると、都心に近いほど上昇率が大きく、コロナ禍後の都心志向の増加がうかがえる結果となった。地方圏については、大阪市と福岡市ではシングル・ファミリー共に賃料上昇傾向がみられたが、名古屋市では横ばいという結果になった。
今後1年間のリーシングマーケット全体に与える影響が大きいと考える項目について聞いたところ、「住宅価格の変化」と「個人の就業環境や収入の増減」に回答が集中。「注目すべき変化」について自由回答で聞くと、テナント入れ替え時の賃料上昇幅の拡大、分譲マンション価格高騰による賃貸ニーズの拡大、居住者の賃料インフレ意識浸透など、賃料上昇につながるポジティブなコメントが聞かれた。