不動産ニュース / 開発・分譲

2025/2/12

東建、『ZEH-M』の供給加速。25年は14棟が竣工

「Brillia深沢八丁目」外観
最高価格となる2億9,900万円の住戸

 東京建物(株)は、『ZEH‐M』水準の分譲マンション供給を加速する。2024年12月末には、竣工ベースでは日本初となる最高ランク『ZEH‐M』基準を満たした「Brillia深沢八丁目」(東京都世田谷区、総戸数38戸)が竣工。25年は14棟と、それまでの累計を上回るZEH-M物件を竣工させ、分譲事業における環境対策の加速と、省エネ性能・快適性向上による差別化を図る。

 同社は、21年6月以降に設計着手した新築マンションは、ZEH‐Mとして開発してきた。同業各社の取り組みにより23年度竣工した集合住宅の47%が「ZEH-M Oriented」以上の性能を持つZEH-Mだったが、省エネ・創エネで年間一次エネルギー消費量の100%以上を削減する最上位の『ZEH-M』は1.8%。そのすべてが賃貸マンションだった。「現状、分譲マンション購入検討者には『ZEH-M』という選択肢がない。『ブリリア深沢八丁目』で実現難度が高い『ZEH-M』に取り組み、ベンチマークとして認知されることで、業界全体で新築分譲『ZEH-M』プロジェクト始動の足掛かりになればと」(同社執行役員住宅事業第二部長・佐林 繁氏)。

 「ブリリア深沢八丁目」は、東急田園都市線「桜新町」駅徒歩9分に立地。建設地は幼稚園跡地で、期間70年の定期借地で分譲マンションを開発する。建物は鉄筋コンクリート造地上3階建て。24年12月26日に竣工済み。高断熱サッシ、厚さ50mmの壁断熱や屋上断熱など躯体の断熱性向上で、断熱等性能等級6を全住戸で取得。2階の中住戸を中心とした15戸は最高等級となる7を取得した。高効率エアコンや全熱交換器の採用による省エネ性向上、マンション屋上全面に設置された太陽光パネルとエネファームによる創エネを組み合わせ、住棟全体で年間1次エネルギー消費量の101%を削減(住戸全体では114%)。1住戸あたり年間平均11万1,000円の光熱費を削減しながら、冬場の就寝後の室温維持など快適性を高める。これらの取り組みにより、国土交通省の「令和5年度サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に採択されたほか、CASBEE Sランク、BELS★5つ、東京都マンション環境表示制度で全て★3、認定低炭素住宅などの環境関連認証を高いレベルで取得している。

 住戸は2LDK~4LDK、専有面積約63~134平方メートル。二重床二重天井、天井高2,450mm。食洗機、ディスポーザー、フィオレストーンキッチン天板、カップボード、ミストサウナなどが標準。停電時は、エネファームで発電した電力と太陽光発電パネルで発電した電力を系統別で引き出せる。また、共用部には蓄電池を設置。太陽光で発電した電力を蓄電して災害時等に利用。またV2H設備も用意し、電気自動車から建物共用部に給電するなど災害対策も充実させた。

 24年5月からモデルルームでの販売を開始。これまで310組が来場し、21戸が契約済み。販売価格は、1億700万~2億9,900万円。来場者属性は30歳代約35%、40歳代約25%、50歳代約20%、60歳代約10%。高額住戸検討者ほど『ZEH-M』の環境性能への評価が高く、竣工建物で省エネ設備を実際に目にできるようになったことで、さらに『ZEH-M』への評価は上がっているとしている。

屋上には336枚(137kw)の太陽光パネルが並ぶ。このうち24枚は共用部に、残りは各住戸の広さに合わせて割り当てられる
太陽光パネルで発電した電力とは別にエネファームでも発電する

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ZEH

年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量がおおむねゼロ以下となる住宅。ZEHは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称で、和製英語である。

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