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総合地所(株)は、建築費高騰や顧客のライフスタイル多様化に対応した分譲マンションの空間提案に力を入れている。2024年12月中旬から販売中の「ルネ柏ディアパーク」(千葉県柏市、総戸数389戸、京成電鉄(株)、(株)FJネクストとのJV)では、限られた専有面積で居住性を維持した、専有面積約62~63平方メートル(約18坪)の間取りを4タイプ50戸用意したほか、家族構成やライフスタイルの変化に合わせ、部屋の広さや収納の広さを自由に変えられる可動収納ユニット「UGOCLO(ウゴクロ)」を総戸数の9割近い347戸に採用。販売開始から2ヵ月強で1期100戸のうち70戸が販売済み。
同物件は、JR常磐線「柏」駅徒歩15分、同駅バス約9分バス停徒歩1分に立地。鉄筋コンクリート造地上14階地下1階建て5棟、ZEH-M Oriented仕様。同駅圏では過去最大となる民間分譲マンション。住戸は、間取り2LDK+S~4LDK、専有面積約61~84平方メートル、全50タイプ。
「18坪の3LDK」は、建築費高騰による価格上昇を抑えるため、限られた専有面積で「何よりも部屋数」を求めるファミリー層のニーズに対応できるプランを社内で話し合い、反映させた。主寝室は5.5畳大、LDKも14畳大を確保。キッチンは壁付けとし、キッチンと直角にカウンターを設け、配膳に使えるようにした。リビング隣接の2つの洋室は3.5畳・3.8畳大。可動間仕切りで一体利用できるようにしているほか、クローゼットは足元をカットしており、長さ2,000mmの標準的なシングルベッドを横向きに置けるようにした。浴室~洗面所~LDKの家事動線の中間にランドリークローゼットを設置して、スペースの有効活用と家事効率の向上を狙っている。
また、一部住戸ではLDKを12.4畳大に抑える代わりに大型のカウンターを取り付け、洋室2室を4畳大として後述する「UGOCLO」で可変性を持たせた。1期ではこれら「18坪の3LDK」プランを9戸販売し、ファミリー・プレファミリーを中心に完売。5人家族の購入者もいたという。
一方の「UGOCLO」は、2組の可動収納ユニットを組み合わせて居室と収納空間の広さを変える標準の「UGOCLO」に加え、収納ユニットが1組の「UGOCLO・S」、居室1室の広さと収納とを可変する「UGOCLOハーフ」を、専有面積や間取りに合わせて採用している。これまでは限られた物件の限られた住戸での採用を続けてきたが、顧客の反応の良さや空間を自在に使いこなす特性が、専有圧縮下の空間提案にもマッチすることから、総戸数数十戸程度の物件でも採用するケースが増えてきた。1月末に販売を開始した「ルネ瑞穂公園」(名古屋市瑞穂区、総戸数91戸)ではすべての住戸に採用するなど、今後も採用率を高めていく方針。
