不動産ニュース / 調査・統計データ

2025/2/27

住宅投資商品の地位向上に向け方向性を整理/FRK

 (一社)不動産流通経営協会は27日、「賃貸住宅投資市場の拡大方策に関する調査研究」結果を公表した。

 創立50周年を機に発表した「FRK提言2020」で掲げた目標とする項目の一つである、「投資対象としての住宅(不動産)の地位向上」について分析・検討を行なうことが目的。
 「賃貸住宅市場の現状」「住宅投資商品に関する投資選好」等の確認と整理、「FRKの取組案や政策提言の方向性」の検討を主たる論点とし、定性・定量の両面から分析した。同調査では、投資市場へのアプローチとして、REIT等の先行プレイヤーが着手できていない分野への参入可能性について検討するため、戸建て・木造・地方の賃貸住宅に焦点を当てている。

 アンケートにおいて、住宅投資商品に関する投資選好を調査したところ、「不動産投資を行なっていない層のボリュームが大きい」「若年層の投資選好の変化に応じた商品供給が必要」「戸建賃貸住宅への投資領域拡大の可能性」「地方大都市への投資領域拡大の可能性」「個人投資家のリスク・リターン選好等を捉えた商品組成の必要性」などが確認できた。

 上記の結果に関し、有識者検討委員会での深掘りを実施。その結果、不動産市場におけるプレイヤーごとの課題が明確化されたことを受け、FRKの取組案や政策提言の方向性を検討した。

 具体的なFRKの取組案として、「リテラシーの底上げ」「プラットフォームの検討」「商品組成支援」を提示。政策提言の方向性として、(1)木造の法定耐用年数の緩和、(2)投資家向け税制優遇の推進、(3)地方都市の不動産証券化推進、(4)事業者向け補助策の推進、(5)賃貸情報に関するインデックスの作成、を挙げた。
 (1)では、木造の法定耐用年数を見直し、投融資判断の柔軟性を向上させることで、資金調達の円滑化や資産評価の向上を期待する。(2)については、不動産投資による所得を金融所得とする取り扱い・制度を推進。(3)では、地方証券化支援策実施を促すことで、不動産形成・再生事業の実現に貢献。ひいては、人材育成、地域活性化への貢献および需給ミスマッチの解消につなげる。(4)については、ファンド、アセットマネージャー(AM)の収益確保支援につながる補助策のほか、改修に関する省エネ等補助、社宅への活用(借り上げ)補助、不動産流通税優遇等も行なう。(5)では、特にAM、プロパティマネージャーに向けた賃貸市場の需給に関するインデックスを整備する。

 調査の詳細は、同協会ホームページを参照。

記事のキーワード 一覧

動画でチラ見!

座談会「事故物件に立ち向かう」

掲載誌はこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/5/1

「海外トピックス」を更新しました。

Vol.428 クアラルンプールにはなぜこんなにショッピングモールがあるのか【マレーシア】」を更新しました。

熱帯気候のマレーシア、クアラルンプールの人々が日中集まるのがショッピングモール。暑さ、湿度、雨などに煩わしい思いをすることなく、朝から晩まで過ごすことのできるショッピングモールは住民にとってなくてはならない存在のようです。こうした背景から、中間層以上にむけた都市開発の根幹とされることも多いそうです。しかし、中には問題もあるようで…続きは記事をご覧ください☆