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(一社)日米不動産協力機構(JARECO)は21日、日本大学経済学部3号館(東京都千代田区)でカンファレンスを開催。約100名が参加した。
今年のテーマは「AI×不動産」。全米リアルター協会(NAR)日本・モンゴル大使の武田麻美氏、シアトルキングカウンティ不動産協会会長のシャイアン・ギルーリー氏など、米国からのゲストも参加した。
冒頭、JARECO理事長の中川雅之氏(日本大学経済学部教授)は、「マネジメントの父と言われるドラッガーの有名な言葉、『変化は止めることができない。変化の先頭に立つことができるかどうか、それだけが自分で選べることだ』を紹介したい。不動産業界の方々が“変化の先頭に立てるきっかけとなる”、そういうカンファレンスにしていただきたい」と挨拶。
第1部に登壇したNARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏は、「米国不動産の経済概況」について解説した。「原油高、各種ローンの延滞・滞納など、経済を後退させる懸念材料は多い」とした上で、「ただし、株価が上昇すると、資産を多く保有する層に余裕が生まれ、高額物件が動き始める。2025年のNARデータによると、高額物件を現金で購入した人の比率は26%に達している」といった状況も説明。「懸念材料はあるものの、米国経済がそのまま深いリセッション(景気後退)に入るとは思えない」と見通した。
また、既存住宅の販売状況について、「直近の3年間は横ばいの状態。これは、需要がないからではなく、過去の低金利時(3~4%)で家を購入した人たちの、『現在の6%台の金利で家の買い替えは現実的ではない』という心理が働いていることが影響している。つまり、流通の詰まりが起きている」と解説。販売価格については、「中央値は40万8,800ドルで、33ヵ月連続の上昇、過去最高を更新している。販売数は減少しているが、価格は高く保たれている状態」と説明した。
第2部では、(一社)不動産テック協会理事の和田浩明氏(GOGEN(株)代表取締役CEO)が「AI進化の現状と、不動産業界における可能性」をテーマに講演。「AIの役割は、『知識の検索窓』から『実務の作業主体』へと進化している」とした上で、AIそのものが予期せぬ形でシステムに侵入するリスクについても言及。「AIの自律的な行動は、システム上での直接的な業務事故に直結する」と警鐘を鳴らし、「高額かつ感情が伴う不動産取引において、AIによる『完全自動化』は最適解ではない。『部分自動化』+『人間の責任』が望ましい」と述べた。その実現に向け、「リスクの大きさに応じて人間の介在レベルを最適化する業務フローを構築していくこと、さらにはAIを業務プロセスの深部にまで組み込む抜本的な経営判断が求められる」と締めくくった。
また、ワシントン州リアルター協会と「mou」の締結式を実施。mouは、世界各国の不動産関連団体と締結してる「国際相互協力のための基本合意書」のことで、アメリカ・香港・シンガポールなどのアジア各国の団体と、不動産に関する情報交換を行なっている。
