三菱地所リアルエステートサービス(株)は27日、「賃貸マンション市場の現状と今後の展望」を公表した。分譲マンション市場(住宅価格指数、既存マンションの成約単価)、賃貸マンション市場(賃料単価予測、所得推移、成長率)、建築費指数等からまとめたレポート。
住宅市場全体の価格上昇を牽引してきた分譲マンション市場は、値上がりの鈍化や売り出し価格と成約価格の乖離などの変化が見られ始めた一方、都心部の賃貸マンション市場は、出社回帰に伴う職住近接ニーズの高まりを背景に、需給が逼迫。高値であっても成約に至る「貸手優位」の市場環境が継続しているとした。
賃貸マンション事業者へのアンケート調査(2025年第4四半期)では、市況観について「拡大期~ピークである」との回答が過半数を占めた。一方、22年度の調査開始以降、低下傾向にあった「減退局面」の回答割合が上昇に転じており、先行きへの警戒感も浮上した。物価・資材・人件費の高騰による収益圧迫への懸念から、既存契約の更新に伴う賃料引き上げの動きが本格化しているとした。
また、分譲市場で顕在化した「消費者の支払い能力の限界」が、実質賃金の低下が続く賃貸市場の借主にも影を落としつつあるとした。今後は一律の賃料引き上げではなく、「ハード・ソフト両面での明確な付加価値を提供し、確実な需要を捉える取り組みが不可欠となる」と分析している。
