西武グループ4社((株)西武ホールディングス、(株)西武不動産、(株)西武・プリンスホテルズワールドワイド、西武鉄道(株))は、農林水産省との間で「西武グループによる木材利用拡大に関する建築物木材利用促進協定」を締結。31日、同省で協定締結のお披露目会を実施した。
同協定は、建築物における木材利用の促進を目的とした「都市(まち)の木造化推進法(脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律)」に基づき、民間事業者等と国、地方公共団体の間で締結する制度。国と民間事業者との協定は、今回で34件目。
西武グループは、事業に使う建築物の整備において、環境に配慮した木材の調達や地域と連携した木材利用を推進することで、2050年度CO2 排出量ネット・ゼロの実現や地域の活性化に貢献する「建築物木材利用促進構想」を打ち出しており、今回の協定締結を契機に西武グループが全国各地で展開するリゾート地や西武鉄道沿線での事業における木造・木質化を加速していく。
協定に基づき、4社は今後5年間に建設を予定している建築物で、国産材や地域材の利用に努め、1,000立方メートルの木材を使用する。宿泊施設、観光・レジャー施設、鉄道関連施設に係る建築物等の設計に際し、CLTや大断面集成材、LVL等の積極的な活用に取り組む。西武不動産は、自社で保有する土地で森林の植林と保育および適切な伐採と伐採木の利用、森林資源の循環に寄与する取り組みを積極的に進める。4社が運営する宿泊施設や事業所で、開催するイベントや SNS を通じた情報発信、木育活動を推進し、4社以外の西武グループ企業へも同様の取り組みを促していく。
一方、同省は、技術的助言や活用可能な補助事業等の情報提供、木材利用に関する相談窓口や専門家の紹介、4社の木材利用の取り組みの発信などで協力していく。
お披露目会で挨拶した農林水産大臣の鈴木憲和氏は「都市(まち)の木造化推進法は、東京は森の中にあると言えるようになりたいとつくった法律。公共建築だけを木質化しても仕方がないので、民間企業にも木材利用を広めていきたいと協定をスタートした。西武グループさんは非常に大きな企業グループであり、軽井沢や箱根のホテルや鉄道の駅などが地域材・国産材でつくられることが、森林資源の循環につながり、同時に利用されるお客さまにとっても、素敵な空間と思っていただきたい」などと語った。
西武不動産代表取締役社長の齊藤朝秀氏は「西武グループでは、全国各地で1億平方メートルの開発地を保有しているが、その過半が農地や森林などの市街化調整区域。手つかずの自然が残っている地域も多い。これらの土地では、生物多様性の取り組みや間伐材の再利用などを進めている。今回の協定に基づき国産材を中心に木材を活用していくが、それにとどまらず木材業界と不動産業界がいい形で、次の世代に良好な国土を承継していくため取り組んでいければ」などと抱負を語った。
お披露目会後、改めて報道陣と会見した斉藤社長は、すでに「ザ・プリンスヴィラ軽井沢」の施設で515立方メートル、「プリンスバケーションクラブヴィラ軽井沢浅間」の施設で450立方メートルの国産材を使用しているほか、現在進行中の「プリンスグランドリゾート軽井沢」のコテージリニューアルでの木材利用が加わることで、目標はクリアできる見通しであると説明。建築規制の制限が少ないリゾート地を中心に建築物の木質化や木材利用を進める。「目標数字にこだわらず、グループ全体がいかに木材利用にコミットしていくかが重要。グループ全体の目線で木材利用を考えていくことで、何ヘクタールという単位で木材利用を面的に拡大していける」(斉藤氏)。
