不動産ニュース / 団体・グループ

2026/9/3

住団連がビジョン改訂。既存住宅流通の検討を加速

 (一社)住宅生産団体連合会は2日、「住生活産業ビジョンVer.2026」を発表した。

 住宅・住生活に関する課題や実現したい住生活・住生活産業の姿などを示した上で、住宅業界としての役割や取り組むべき内容について示した指針。2018年に初めて策定し、21年に改訂。今回発表した26年版のビジョンでは、4月にスタートした新たな住生活基本計画(全国計画)も踏まえた内容となっている。

 新ビジョンでは、住宅・住生活を取り巻く経済・社会の課題として克服すべき11項目を抽出。その上で、50年に目指すべき社会・業界像として(1)良質な住宅ストックの形成、(2)良質な住宅を選択できる社会の実現、(3)カーボンニュートラルの推進、(4)住生活産業の魅力向上と生産性改革、(5)住生活リテラシーの向上の5点を基本方針と設定。それぞれで今後10年程度をめどとした住生活産業の取り組みの方向性を示した。

 今回のポイントは、従来から重点的に取り組んでいた良質な住宅ストックの形成(新築)に比べて手薄だった住宅ストックの流通と利活用に関する内容を厚くしたこと。ライフスタイルやライフステージに応じて良質な住宅を円滑に取得・継承していくために、成熟した既存住宅流通市場の形成が不可欠だと指摘。マンション分野では既存住宅流通が定着しつつあるのに対して、既存戸建て住宅は性能・品質に対する不安や築年数を重視した画一的な査定慣行を背景に流通量が低迷しているとした。

 そうした課題の解決に向けては、長期優良住宅などの認定状況や、住宅履歴の整備、性能向上の取り組みが売却時に適切に評価される査定手法の普及が求められ、新築時の住宅性能やその後の維持管理の状況等が登録されるデータベースが必要だとした。さらに、定期的に住宅の劣化状況や性能の維持状況などを点検する「(仮称)住宅検査登録制度」を提唱。同連合会専務理事の平松幹朗氏は「自動車でいう車検制度のようなもの。住宅履歴を整備し、住宅流通時の査定に生かしてもらうには、公的な性格を持つデータベースが必要だと考えている。国土交通省や不動産業界とも対話しながら、検討を進めていきたい」などと話した。

 こうした住宅流通分野での取り組みに関しては、今後、専門委員会等にワーキングを立ち上げて進めていくほか、「不動産流通の専門家や業界団体との連携や情報交換を順次進めていきたい」(平松氏)という。

 このほか、今回から新規項目として組み込んだ「住生活リテラシーの向上」については、エンドユーザーの情報取得機会の提供や人材育成などを提案している。また、カーボンニュートラルの推進に関する項目では、LCCM住宅の普及拡大や、既存住宅の断熱改修促進などに取り組んでいくとした。

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