不動産ニュース / 調査・統計データ

2026/9/3

冷凍冷蔵倉庫の賃借ニーズ、今後も伸長

 シービーアールイー(株)(CBRE)は1日、特別レポート「コールドストレージ 2026‐市中への低温配送需要が顕在化‐」を発表した。全国の賃貸型冷凍冷蔵倉庫(コールドストレージ)市場の動向やユーザー需要についてまとめている。

 マルチテナント型の冷凍冷蔵倉庫の開発面積は、今後急速に拡大すると予測。その根拠として、2025年までの累計開発面積は9万3,000坪であったのに対し、27年と28年は単年でそれぞれ15万坪弱の新規供給が予定されていることを挙げている。なお、比較的小規模な用地での一棟開発が主流であるものの、大型物流施設の一部フロア・区画を冷凍冷蔵仕様とする複合型開発も見られる。

 28年までのすべての開発案件を地域別に分析すると、首都圏と近畿圏が全体の88%を占めた。25年までは近畿圏での開発が先行していたが、26~28年は首都圏の棟数が全体の54%を占めている。地方都市圏における開発事例は竣工済み・計画を合わせても1~2棟にとどまるが、北海道から九州まで全国に広がりつつある。
 開発拡大の背景にあるのは、建築費が高騰する中でも高賃料が期待できるアセットとして注目されていること、小規模開発の方が取り組みやすいと考えるディベロッパーの新規参入があること、さらに、冷凍食品の需要拡大を挙げている。

 首都圏および近畿圏における竣工済み物件のテナント決定状況(26年6月時点)は、24年竣工物件で100%、25年竣工物件で80%、26年上半期竣工物件で57%。契約テナントの業種構成は、物流業が73%、卸売業が23%、食品製造業が4%。物流企業の荷主構成では、「複数荷主」が45%と最も多く、次いで小売業(33%)、EC(13%)となった。主な利用目的は原材料等の長期保管ではなく、日々の出荷・配送を伴う市中への低温配送。

 主要港近くの既存冷凍冷蔵倉庫の庫腹占有率は100%近くで推移しており、保管過多による作業停滞やコスト増加が課題となっている。さらに自社倉庫の建設難易度が上がる中、迅速に稼働できる賃貸物件の需要が高まっている。 さらに、首都圏におけるスーパーマーケットの店舗数に着目すると、大型店が減少している一方、中型店や小型店が増加しており、ドミナント出店による店舗網の細分化に伴い配送頻度や物量が増加。市中配送拠点の必要性が高まっていることも要因、と指摘している。  

 同社は、ディベロッパーが市中への低温配送というメインのユーザーを念頭に置いた計画を推進することにより、テナントの冷凍冷蔵倉庫の賃借利用がさらに浸透、市場も拡大していく、と分析している。

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