記者の目

2006/10/27

ビジネスホテルとシティホテルの中間という新しいスタイル

ハイグレードでもリーズナブル、住友不「ヴィラフォンテーヌ東京三田」

 住友不動産(株)は、“宿泊特化型”のビジネスホテルシリーズ「ヴィラフォンテーヌ」を、1997年より都心を中心に展開している。同物件の特徴は、「リーズナブルな価格で、シティホテル並みのクオリティ」。  同社が10月1日にオープンした、東京都心部で12棟目となる「ヴィラフォンテーヌ東京三田」(東京都港区)に試泊する機会に恵まれたので、同ホテルについてご紹介したい。

ヴィラフォンテーヌ外観(写真は開発中のもの)
ヴィラフォンテーヌ外観(写真は開発中のもの)
標準タイプの「スーペリアルルーム」
標準タイプの「スーペリアルルーム」
二人でゆったり過ごせる「タワービューツインルーム」
二人でゆったり過ごせる「タワービューツインルーム」

 「ヴィラフォンテーヌ東京三田」は、JR「田町」駅徒歩6分、都営浅草線・三田線「三田」駅徒歩6分の場所に位置、空港・新幹線からのアクセスが容易な好立地に建つ。地上17階建てで、1階~13階がオフィスフロア。客室(全173室)は14階~17階。14階の客室フロアから屋上までは、中央部分が吹き抜けとなっており、開放感・季節感で溢れる。中央部分には枯山水のような中庭を配し、その中庭を囲うように各フロアには格子がはめられていて、同ホテルのコンセプト“和とモダン”を象徴している。

 客室は5タイプ。基本タイプの「スーペリアルルーム」(1名1室利用10,000円)、リラックス効果のある「ヒーリングルーム」(同11,000円)、ビジネスウーマンのための「レディースルーム」(同11,000円)、二人でゆっくり過ごせる「タワービューツインルーム」(同16,000円)、そして、二面の窓から東京タワーなど都心ならではの眺望が満喫できる「プレミアムタワービュールーム」(同16,000円)。すべて朝食代・税込み、サービス料なし。
 「レディースルーム」は女性優先とし、フットバス・フェイシャルイオンスチーマーなどの特別な設備を用意、働く女性が一日の疲れを癒せるよう工夫した。また「ヒーリングルーム」は疲れを癒し、心地よい眠りを提供するため、フットマッサージャー、低反発枕・低反発マットを備えた。1泊7,000円程度が多いビジネスホテルで、果たしてこの料金設定は吉とでるか、凶とでるか。

 客室面積は19平方メートル~30平方メートル超のゆとりある広さ。そこに幅1.6mのクィーンサイズベッドを配置、また1.5m×2.0mの大型ユニットバスを採用している。さらに、全室に無料のLAN回線・ズボンプレッサーを設置。一般的なビジネスホテルのシングルルームに比べ、その設備の充実ぶりは歴然だ。
 「激しい競争の中で勝ち残っていくためには、ハード・ソフトひっくるめた思い切った発想、価格設定が必要」と、同社常務執行役員 都市管理事業本部副本部長 兼 ホテル事業部長の松上尚義氏は語る。“ビジネスホテルとシティホテルの中間層”というニッチな商品発想、そして“ハイグレードでありながら、リーズナブル”という市場力のある価格設定で顧客を獲得していく。

 記者が宿泊したのは「スーペリアルルーム」。部屋には広めのデスク、スーツを収納するクローゼットが設置されており、まさに“働く人のため”の部屋だ。しかも、その設備はシティホテルに引けをとらない。充分な広さのユニットバスは、浴槽自体も体をのびのびできるほどの大きさだ。“和とモダン”のコンセプトどおり、インテリアも黒と赤といった色合いで統一され、落ち着いた雰囲気を演出している。「ビジネス」と「プライベート」、どちらも充実して過ごせる空間づくりに成功していた。

 「ヴィラフォンテーヌ」は、ビジネスホテルとシティホテルの中間に位置する、新しいホテルスタイルをめざす。足回りのよい立地、ヒーリング設備の多さ、そして東京ならではの眺望を楽しめることから、ビジネスマン・ビジネスウーマンだけでなく、観光客の集客も見込んだ展開を図っていけるホテルへと成長していくだろう。(May)

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年5月号
住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/5/1

「海外トピックス」を更新しました。

サントスの「動く博物館」と中心街の再活性化【ブラジル】」を更新しました。

ブラジル・サンパウロ州のサントスでは、旧市街地2.8キロをめぐる「動く博物館」が人気となっている。1971年には一度廃止された路面電車を復活して観光路面電車としたものだが、なんと日本から贈られた車両も活躍しているという。