アイフルホーム「c’e-si-bo」(セシボ) モデルハウスレポート
住宅購入層として現在厚いボリュームを持つのが団塊ジュニアといわれる世代だ。マンション供給業者も、住宅メーカーも、ここをメインのターゲットとしてさまざまな開発を進めている。ちなみに、その世代は結婚して子を持つ世代ともバッティングする。そのせいか、最近子育てをテーマにしたマンション・戸建て住宅が増えているように思う。 (株)住生活グループ傘下で住宅FCを全国に展開している(株)トステム住宅研究所のアイフルホームは、4月1日より、子育てをテーマにしたアンケート調査や専門家の知恵を集約した新商品「c’e-si-bo」(セシボ)の販売を開始した。 子育てにいい家って…? 背くらべをして柱に傷をつけても大丈夫な家? ちゃぶ台がおける家? 子供部屋がきちんと確保できる家??? 子育て中である記者が、“子育てが楽しくなる家”の秘密を探るべく、同社のモデルハウスを見学してきたので、その時の様子をレポートする。








キッチンにいながら畳室まで見渡せる
今回見学させていただいたのは、「c’e-si-bo」の46坪モデル。まず驚いたのは玄関の広さと、玄関横に設けられた玄関土間収納だ。玄関は約1間ほどあろうかという広さで、大人が数人立っても窮屈さはない。子供を育てていると、玄関という場所は、子供に靴を履かせたり、ベビーカーに乗せたりと、スペースはあるにこしたことない場所である。ちなみに記者の家は賃貸で、玄関は半間もなく、そこにベビーカーも置いているため、靴を履かせた子供が、われわれ大人の靴を踏み、蹴散らしていることも度々。これだけ広い玄関だったらなぁ、と思わずため息である。
そして玄関土間収納。土間にはベビーカー、三輪車などを置いて置くことができ、その上には棚があるため、シューズボックスに入らない靴や荷物などをしまっておける。これまで多くの家で、ベビーカーなどは玄関に無理矢理置くか、外に置くか、の二者択一だったと思う。しかし玄関に置けば極端に狭くなり、外に置けば雨風で汚れる。外では何より盗難のおそれがある。廊下や居室部分に置くのは、外で使うものだけに抵抗がある。この土間収納があれば一気に解決だ。「ゴルフバッグなどもここに置くことができます。子育て終了後も何かと便利なスペースとなる」とは(株)トステム住宅研究所宣伝部主任・山口健二氏の弁。
続いてLDKへ。ここの特長は、キッチンからリビングダイニングはもちろん、畳室まで見渡せる設計になっていること。家事をしていても、特に子供が小さいうちは「ひっくり返っていないか」「とんでもないいたずらをしていないか」等、子供のことが常にが気にかかるもの。この住まいでは、料理をしながらも子供に目を配ることができ、母親としては大変ありがたい。
ちなみにわが家は、キッチンは対面でなく引っ込んで設置されているため、リビングの様子ですらあまりよく見えないのである。
ニッチを生かすと、子供に優しい家になる
「c’e-si-bo」では、ニッチを生かしてさまざまなスペースとして活用している。システムキッチン横部分には埋め込みマガジンラック、階段下や2階にあがってすぐの壁にある壁厚収納など、ところどころにちょっとした収納スペースがある。いずれも床から近い位置に作られており、子供が苦労なく出し入れできる高さだ。
収納スペースは多いに越したことはない。特に子供のものは思い入れがある分捨てづらく、まさにものは増える一方。これだけ収納場所があるのは非常にありがたい。それに子供にも手の届きやすい場所にあるのは、子供に片づけを教えるのにも活用できるし、子供がそこにおもちゃや自分の作ったものなどを陳列すれば、それの情操教育にも役に立つことだろう。
収納といえば、対子供だけの工夫だけにとどまらない。階段横には、集中ストック収納を配置。「収納場所は多いと喜ばれますが、その場所が分散しているとどこにしまったか分からなくなってしまうことがある。集中して収納できることで、必要なものはここにある、という整理ができ、家事の効率化につながる」(山口氏)。
確かに私も家で「あれはどこにしまったっけ…」とうろうろすることが多々ある。まとめてあれば、物を探すのに費やしていた無駄な時間をある程度なくすことができそうだ。
空間は“よりオープン”がコミュニケーションを生む
今回の商品では、2階に「ファミリースペース」というオープンスペースを提案している。「創作やゲーム、遊びの場として、部屋にこもってするのではなく、みんなで楽しめる空間」(同氏)ということで、主寝室と子供部屋の間を、扉のないオープンなスペースとしたもの。
なお、子供が大きくなった時にはここを部屋にすることも可能だ。このようなオープンスペースなら、遊び場と決めて、暇があればここに家族で集まり、遊ぶことができる。リビングだと来客に備え遊んでいても片づけの事が常に頭にあるが、ここならその心配はない。そして子供が成長してからも、子供が友達を呼び、ここでオープンに遊んでもらうことができるだろう。何より部屋にこもられると様子を把握しにくいところ、階段からちらりとのぞくこともでき、そういう意味でオープンな家族関係形成にもとても役に立つように思った。
オープンといえば、リビングにつながるウッドデッキも大変魅力的だ。リビングのサッシは折り畳み式の観音開きのものとなっていて、これを解放すれば、リビングとデッキが一体化し、リビングをさらにオープンに活用できるのだ。これなら知り合いを招いてリビングでパーティしながら、デッキでバーベキューをしたり、子供を遊ばせたりできるなぁ…と、非常に夢ふくらむ設計となっている。
「家庭」とは「家」+「庭」
マンションではなく戸建てを選択する人にとっては、「庭」を重視してその選択に至ったという人も多いはず。今回「c’e-si-bo」では、「フラワーベッド」(モジュールガーデン)を提案。これは子供が小さいうちは砂を入れて砂場として活用、物心がついてきたら、花や野菜を植えて植物を育てることを楽しむというもの。合わせて、子供の感性を育むことにもつなげていこうという試みだ。子供のライフステージに合わせて用途を変更できるすぐれものである。
ガーデニングが趣味という主婦の人は多いが、子供にいじらせると抜かれたり折られたりするから触らせたくない、という人も多い。ここを活用すれば、母親は庭全般でガーデニングを楽しみ、子供はフラワーベッドで庭遊び…と親子で存分に楽しむ事ができるだろう。
アイフルホームが提案する「子育てが楽しくなる家」とは、つまり親子のコミュニケーション創出を家が手助けし、さらに生活している際に遭遇するちょっとした困ったこと、こうだったらいいのに、を大から小まで解消された家である、と記者は理解した。
家事がしやすければストレスはたまらない、ストレスがたまらなければ子供に笑顔で接することができる、子供もやりたいことができればストレスがたまらず、結果、笑顔あふれる家庭となる…。家というハードが、暖かい家族関係創出を手助けする、それを実現したのが「c’e-si-bo」なのではなかろうか。(NO)
なお、当該商品発売時のニュースについてはこちらをご参照ください。