記者の目

2023/3/3

出勤したくなるオフィスが増加中(前編)

無機質な空間にオフィス机が島のように並び、その上には固定電話が…。どこの企業でも似たような光景のオフィス。「(出勤しなければならない)月曜日の朝が憂鬱」という共通認識も、今は昔。在宅勤務、モバイルワークが定着してきた中、出勤したくなるオフィス、行くと健康になるオフィスが出てきている。

 実は先般、当社のTwitterのアカウントで「見れたら嬉しいのは?」というアンケートを行なった。結果は下記のとおり。

 他社のオフィスを見る機会はなかなかない、ということもあるだろう。ということで、記者が取材したオフィスのいくつかをまとめて紹介したい。

◆JLL

 最初に紹介するのは、総合不動産サービスを手掛けるJLLのオフィス。各社のオフィス戦略の提案なども行なう同社のオフィスで印象的なのは、受付とそこに併設されたカフェサロン。

大きな庵治石の一枚岩の受付を通過すると…
来客対応、打ち合わせ、個人ワーク、リラックスなど多様に使えるスペースが

 来客対応、打ち合わせのほか、同社のワーカーのワークスペースとしても活用されるこちらのスペース。壁にはサブスクリプションのアート(定期的に作品が交換される)が飾られ、ソファやリラックスできるテーブルセット、リクライニングできる椅子なども備えられている。飲み物をサーブする専用のスタッフが用意してくれる。メニューはコーヒー、カフェオレ、オーガニックの紅茶、果汁が溶け込んだデトックスウォーター、炭酸水などから選べる。

 一角には茶室も用意されていて、社員が来客対応に使用するほか、社内の懇親のスペースやリラックススペースとしても活用されているそうだ。

  同社ではワーカーのウェルビーイングにも力を入れていて、ヨガスペース、そしてマッサージルームも設置されている。

マッサージルーム。この後マッサージベッドが置かれる予定

執務時間中にマッサージの資格者のマッサージを受けることができるとのこと。実にうらやましい。

◆NTTアーバンソリューションズ(株)

 本社を構える秋葉原UDX6階に、実験的ライブオフィス「未来のオフィス 4×SCENE」を開設。ここでは、NTT都市開発が企画・運営するビルへの実装を念頭に、集中業務、軽い打ち合わせ、チーム作業、リラックスなどさまざまな業務シーンに適した多様な空間を創出し、そこで実証しながら提案するという取り組みを行なっている。先駆的な取り組みが導入されている。

 集中作業用スペースでは、ワーカーのパフォーマンスを引き出すために、そしてストレスを軽減するため、緑を多数配置したバイオフィリックデザインを採用している。

集中業務に適した空間では、バイオフィリックデザインを採用。緑の効能で、リラックスして仕事ができそうだ

 緑が多いためか、無機質さはまったく感じない。また天井にあるライトは椅子の位置に合わせて設置されており、個別に照明の照度等を変えられる。

 同オフィスには、リフレッシュや集中力向上をうながすためにあるものが設置されている。それは…

リフレッシュ、仕事の業務効率向上につなげるため、瞑想室を用意

 「瞑想室」。ミスト、光、音、香りで、効果の高い瞑想を支援する。仕事中に瞑想…。リラックスでき、仕事のストレスが緩和されそうだ。

 そして記者が特に使ってみたいと思ったのは、ウォーキングマシンと一体化したデスク。キーボード打てるのかな? 座り仕事が多くなりがちなワーカーには喜ばれそうだ。

ウォーキングしながら仕事ができるデスク

◆(株)オカムラ

 オフィス環境事業等を手掛ける同社が千代田区に設けているオフィス「We Labo」。ここでは、従業員が生き生きと働き課ながら、顧客にも健康的な働き方を提案することを目的に、運営しているオフィス。人と人とがつながり、生かしあうことを目指した取り組みが多数みられる。

 Hub Loungeは、部署や部門、役職を超えて、誰もが交流できるスペース。茶器や出張時のお土産などが置かれ、会議、イベント、休憩、ランチなど、コミュニケーションを促す場として利用されている。

Hub Lounge。オフィスの中とは思えない
茶器などが用意されている。出張時のお土産なども置かれ、自然と社内交流が促進されるような空間となっている。

 ワークスペースも、グループワーク、個人業務それぞれに適した場所が多数用意されている。ぱっと見、カフェ?ラウンジ?に見えるが、オフィスなのである。

ワークスペースの一例。雰囲気や色調が違うさまざまなワークスペースが用意されている
こちらもワークスペース。奥にはコミュニケーション誘発を目的に、社員おすすめの本や雑誌がおすすめコメント共に掛けられている

後編へ続きます。(NO)

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お知らせ

2024/3/7

「海外トピックス」を更新しました。

飲食店の食べ残しがSC内の工場で肥料に!【マレーシア】」配信しました。

マレーシアの、持続可能な未来に向けた取り組みを紹介。同国では、新しくビルを建設したり、土地開発をする際には環境に配慮した建築計画が求められます。一方で、既存のショッピングセンターの中でも、太陽光発電やリサイクルセンターを設置し食品ロスの削減や肥料の再生などに注力する取り組みが見られます。今回は、「ワンウタマショッピングセンター」の例を見ていきましょう。