森トラスト(株)は6日、2010年の「東京23区の大規模オフィスビル供給量調査」の結果を公表した。各種公表資料や現地確認、およびヒアリングにもとづき、延床面積1万平方メートル以上のオフィスビルを対象に調査しているもの。
同年の供給量は83万平方メートルにとどまり、08年以降連続で過去20年の平均(109万平方メートル)を下回る見通しとなった。
今後の供給量については、11年は146万平方メートル、12年は168万平方メートルと増加に転じる見込みであるものの、13年の供給は再び抑制傾向に向かうとみられている。
都心3区における10~13年の供給量は、06~09年実績の7割程度に落ち込み、その割合も72%から51%への低下する見通し。
区別でみると、中央区のシェアは上昇する一方、千代田区・港区のシェアは大幅に低下。都心3区以外では、江東区と新宿区のシェアが大幅に上昇するなど、供給エリアの分散傾向が鮮明になる見込み。
10~13年の開発用地別の供給動向をみると、都心3区では低・未利用地の開発が大幅に減少し、建替え主体の供給構造がいっそう顕著に。一方、臨海地区等においては遊休地の大規模開発は活発化する、としている。
今後のマーケットについては、老朽化したストックの更新が急速に進展しており、都心部においても建替え主導のオフィス供給が中長期的に続くとみられ、今後よりその範囲を拡大していくと予想している。
また、環境問題への関心の高まりや環境規制への強化が、環境性能の優劣による市場淘汰を促し、老朽ビルの建替え促進に寄与すると考えられる、としている。