野村不動産(株)は26日、横浜市のみなとみらい21地区で開発を進めていた「横浜野村ビル」(横浜市西区)の竣工を受け、マスコミに物件を公開した。
みなとみらい線「新高島」駅徒歩4分、「みなとみらい」駅徒歩6分、JR線「横浜」駅徒歩11分に位置。敷地面積は8,962.40平方メートル、鉄骨造地上17階建てで、延床面積は8万1,656平方メートル。
タワーパーキングがある低層階(3~9階)では1フロア約1,050坪、高層階(10~16階)では約1,200坪と、みなとみらい地区では珍しい1,000坪超えを実現。コージェネレーションシステムとデュアルフュエル式発電機(ガス・オイル併用発電機)を導入することで、停電時にも電力供給・冷暖房の熱源確保を実現する。また上水・下水の貯留量をアップさせることで、災害時の水道・トイレの利用を可能にした。
環境面にも配慮し、Low-Eペアガラス、自然通風、外気利用システムなどの導入により、空調負荷を低減。太陽光発電や雨水再利用システムも導入し、エコにも配慮する。LED照明器具を採用、人感センサー・昼光センサーのほか、照度設定スイッチを設け、500lx・300lxを選択できるようにすることで、照明エネルギー使用減少も進める。また1階にはデジタルサイネージ、各フロアにもモニターを接してエネルギーを見える化。BEMSも採用している。
こうした取り組みにより、LEED CS GOLD認証を取得予定。CASBEE Sランク、SEGES認証についてはすでに取得を果たした。
なおオフィス部分は(株)野村総合研究所への1棟貸しが決定しており、4月中旬より入居を開始する予定。また店舗8区画(飲食5店舗、サービス3店舗)についてもすべて契約が完了しており、夏にオープンを予定している。
総事業費は約415億円、想定NOIは5%前後。
同日、野村不動産ホールディングス(株)執行役員賃貸部門長の畑田 実氏が、賃貸部門の投資計画についても説明。2025年までの中長期経営期間で、約1兆8,000億円の投資を実行予定であることを明らかにした。うち8,500億円は投資法人への売却を前提にGEMS(飲食店テナントがメインの商業ビル)やPMO(中規模高品質オフィスビル)などを中心に開発し、9,500億円は固定資産として所有しながら賃貸運営を行なう計画。なお今回の横浜野村ビルは、同社で所有し賃貸していく。
畑田氏は、「『虎ノ門駅前再開発』や『芝浦一丁目建て替え』など、都心部エリアを中心に複合開発プロジェクトを多数進めている。総資産に占める賃貸不動産の部分を伸ばしていく」と述べた。