三菱地所(株)は6日、2017年3月期第3四半期決算の決算説明会を開催した。決算概要については6日のニュースを参照。
主力のビル事業が堅調に推移。セグメント売上高は3,706億5,600万円(前年同期比17.2%増)、営業利益は1,036億2,500万円(同21.9%増)。物件売却収入と賃貸収入の増加等により、大きく売上高を伸ばしている。当期末時点の全国ベースの空室率は3.08%(同0.24ポイント低下)と改善。丸の内エリアに限っても1.64%(同0.15ポイント低下)と改善した。
会見した同社広報部長の川崎正人氏は「テナントの出入りのタイミングによって期末空室率が上下することはあるが、マーケットは全般的に堅調に推移している。この状況がしばらく続くとみているが、18年以降にオフィス床の新規供給が増加するので、準備しておくことは必要になりそうだ」と話した。
住宅事業については、賃貸物件の売却などによりセグメント売上高2,769億9,400万円(同25.%増)、営業利益138億9,900万円(同79.3%増)となった。分譲マンションについては、当期末時点の売上計上戸数が2,224戸(同10戸増)。通期売上高予想に対する契約残高比率は92.1%となった。一方で完成在庫は330戸(同186戸増)とやや増えた。
「物件価格が高くなっているが、業界の中では健闘しているのではないか。しかし、全物件が好調に売れているというわけではない。供給量を追うのではなく、しっかり利益を確保できる物件を供給していく」(川崎氏)。
通期業績については、ビル事業における営繕工事の減少と住宅事業における販売期ずれなどの影響で売上高は下方修正。営業利益はコスト減少で上方修正した。修正後の予想は売上高1兆1,250億円(修正前比40億円減)、営業利益1,850億円(同50億円増)を見込む。