不動産ニュース / 調査・統計データ

2017/2/8

Aグレードオフィス、東京・大阪とも賃料上昇継続/JLL

 ジョーンズ ラング ラサール(株)(JLL)は8日、2016年第4四半期の「ジャパン プロパティ ダイジェスト」を発表した。日本のオフィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況や需要、空室状況、賃料・価格動向、12ヵ月予測をまとめたもの。

 当期の東京Aグレードオフィス市場は、坪当たり月額賃料は共益費込みで3万6,209円(前期比1.0%上昇)と、19四半期連続の上昇。空室率は1.9%(同0.5ポイント上昇)で、2%を下回ってはいるものの六本木・京橋での新規供給を反映、3四半期ぶりに上昇に転じた。
 価格は前期比0.6%の上昇、前年比3.4%上昇と、上昇ペースが3四半期ぶりに加速。投資家の投資意欲は高いが、市場に供給される物件数は限定的となっている。
 今後12ヵ月の見通しについては、賃料の上昇ペースは減速するも、投資市場は取得競争の激しさを背景に、投資利回りは引き続き下押し圧力が継続。価格の上昇ペースは16年並みになると同社では分析している。

 大阪Aグレードオフィス市場は、坪当たり賃料は1万7,477円(同2.7%上昇)と、10四半期連続の上昇。上昇ペースも3四半期連続で加速している。
 空室率は3.9%(同0.1ポイント上昇)で、3四半期ぶりに上昇した。中之島で空室消化が進んだものの、梅田で大型の空室が発生したのがその要因。
 価格は前期比2.8%上昇、前年比15.2%の上昇となったが、上昇ペースは2四半期ぶりに減速。投資利回りは横ばいで、5四半期連続の4%割れに。
 12ヵ月の見通しは、賃料・価格とも緩やかに上昇の予測を示した。

 東京のリテール市場は、月額賃料は坪当たり7万8,783円(同0.6%上昇)。賃料上昇は17四半期連続も、上昇ペースは2四半期ぶりの減速。価格は前期比で0.3%、前年比で4.7%の上昇。

 ロジスティクス市場は、坪当たり賃料4,134円(同0.1%下落)と2四半期ぶりの下落。空室率は5.3%(同2.7ポイント低下)。ベイエリアで前期比0.4%、内陸エリアで前期比0.1%低下した。

 東京ホテル市場は、1日当たり販売可能客室数当たり宿泊売り上げが対前年比で減少した第3四半期から上昇傾向に転じた。月次平均客室単価が上昇、パフォーマンスの回復を牽引している。12ヵ月見通しは、訪日外国人客数の増加ペースの鈍化が懸念されていることから、パフォーマンスの減速予想。投資市場についても、売買取引件数は16年と同程度、売買金額は引き続き高水準で取引されると予測している。

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