不動産ニュース / 団体・グループ

2017/7/13

「地域の働き方」テーマに情報交換/ジバコー

地域密着のあり方を学んだ

 「地域で働く不動産屋さんによる情報交換会」(通称:ジバコー)の14回目となる会合が12日開催され、不動産会社の実務者、物件オーナーなど約40人が参加した。

 同会は、地域密着営業の中小不動産会社、物件オーナー、不動産関連事業者などが集まり、不動産業界関連での最新の話題や、新しいビジネスモデル、地域密着手法等についての情報交換などを行なっている。今回のテーマは「地域で働く不動産屋さんの地域の働き方」。挨拶に立った同会発起人の1人、徳山 明氏((株)尚建代表取締役)は、「この会を始めてから足掛け6年で、ようやく地域での働き方をテーマにすることができた。地域が変われば、まちの不動産屋さんの働き方も変わるはず。地域の不動産屋さんは、まちに戻って勇気を持って仕事してほしい」などと語った。

 会合ではまず、横浜線「淵野辺」駅周辺を拠点に賃貸仲介管理業を手掛ける(有)東郊住宅社取締役の池田 峰氏が、管理物件の入居者やオーナー等、同社のステークホルダー専用に開設した食堂「トーコーキッチン」について解説した。同社は1,600戸を管理、初期費用ゼロなどの差別化策で空室率1.5%を維持しているが、周辺の大学の通学生が長期的には減少傾向にあるなど危機感を感じ、さらなる差別化策として「トーコーキッチン」を開設。管理物件のカギを持つ人と、その同伴者、同社の取引先に限定して、自然素材を使った定食を、朝100円、昼と夜は500円で提供している。これが話題となり、管理物件へ入居したいというユーザーが急増。
 池田氏は、「淵野辺は積極的に住みたいというまちではなかったが、食堂の利用を前提に、管理物件に絞り込んで家探しをする人が増えた。住み替えが阻止でき、家賃交渉の心配もなくなった。管理料を値上げしてもいいというオーナーも現れた。トーコーキッチンのおかげで、地域や住民とフラットなつながりを実現できた。今後は食事の宅配をベースにした高齢者の見守りサービスなども立ち上げたい」などと、取り組みの効果を語った。

 続いて、千葉県大網白里市を中心に、売買仲介業や管理業を展開する大里綜合管理(株)の野老(ところ)真理子氏が講演。同社は、地域清掃や学童保育、地域イベントへの参加や自社が主催するセミナー等、300以上に上る地域活動による地域密着営業と、1日1時間の社内清掃に代表される業務改善運動によるサービス向上で、43年間の黒字経営を実現してきた。
 野老氏は、自社の歩みを振り返りながら「本業と地域活動の比率は6対4。地域の課題に応えようと取り組んできた地域活動は300を超えたが、止めないように努力を続けている。地域活動で失うものは何もない。不動産会社であることを宣伝することもしない。それでも、不動産広告を打たなくても、お仕事がいただけるようになった。地域の皆さんが困っている課題に対して、その人が自ら行動できるようにお手伝いすることで、われわれもパワーをいただける」などと語った。

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