(一社)HEAD研究会の不動産マネジメントTF(タスクフォース)は30日、アーツ千代田3331(東京都千代田区)で「DIY型賃貸ガイドライン」の発表会を実施した。
近年のDIYブームによって賃貸住宅を自分流にDIYでアレンジしたいと考える入居者が増加しているものの、入居者とオーナー、管理、仲介等それぞれの立場によって認識が違う現実がある。そのため、同TFでは、同研究会リノベーションTFの協力を得て、入居者、オーナー、管理者等の当事者間で安全・安心と法的な適合性を確保するための基準を共有するためにガイドラインを作成した。
ガイドラインには、物件種別やDIYしたい内容によって耐火性の確保など、安全性を保持するためのフローチャートを盛り込んだ。物件種別は戸建住宅、鉄骨鉄筋コンクリート集合住宅、鉄骨造集合住宅、木造集合住宅に分け、それぞれに延床面積やDIYしたい場所、その場所の建物内での位置によって、「壁や天井に準不燃の素材を使う」「内装制限(準不燃材の使用など耐火性能を確保するための制限)はない」などといった回答を得られる。内装制限に関しても、言葉の具体的な説明から、不燃・準不燃・難燃材の具体例や設置場所の説明などをまとめた。
オーナー向けの賃貸DIY提案書例も付与。安全面や法的適合を確保するための前提条件や、DIY可能な範囲を決めておくこと、DIYに関する業務の流れなどを盛り込み、不動産会社がオーナーに説明する際の資料にできるようにした。同ガイドラインの作成に携わった不動産マネジメントTF副委員長の谷 尚子氏は「オーナーだけでなく管理会社も“よく分からない”から賃貸DIYの導入に二の足を踏んでいることが多い。そうした場合は、オーナーから管理会社にこのガイドラインを持ち込み、管理会社の理解を求めてもらいたい」と語った。
ガイドラインは今後、事例を積み重ねてブラッシュアップしていく予定。