不動産ニュース / ハウジング

2018/9/20

大宮の分譲地でヒートアイランド対策/積水ハ

「コモンライフ西大宮II」建売住宅外観

 積水ハウス(株)は19日、ヒートアイランド対策を計画した分譲地「コモンライフ西大宮II」(さいたま市大宮区、総区画数12区画(建売住宅8区画、注文住宅4区画))を報道陣に公開した。

 JR川越線「西大宮」駅徒歩11分に立地。総敷地面積2,029.99平方メートル。平均敷地面積165.69平方メートル。平均延床面積119.16平方メートル。

 同分譲地は、埼玉県が実施する「平成30年度先導的ヒートアイランド対策住宅街モデル事業」に認証されており、街区全体でさまざまな対策を実施している。

 駐車スペースは「保水性インターロッキング」で舗装することで、路面温度の上昇を抑制。メーカーの実験では、通常のアスファルト舗装の路面温度と比べて、約13度の違いがあったという。高木も配置し、高木がつくる木陰と、植栽帯の散水が「保水性インターロッキング」に浸み出すことで、温度上昇の抑止効果が発揮される。また、各戸の庭やアプローチ、土留めの一部に蛇かごを設置。蛇かご内の石は保水性の高い溶岩石となっているため、自動で定期的に散水することで蒸散作用による気温上昇の抑制を図る。
 さらに、芝生下の排水層を薄い貯留浸透施設にする「レインターフ工法」を採用。1日2回タイマーにより自動で散水し、植栽への水やりの手間を省くほか、蒸散効果によるクールスポットをつくる効果も望める。また、街区全体では、隣棟間隔を確保して風の通り道をつくり、ゆったりとした主庭やアプローチを設けている。工事価格は、通常のアスファルト舗装に比べて、30万円程度高くなるという(蛇かごや自動散水システムを含めると70万~80万円ほど)。

 2018年7月10日に完成した建売住宅(4戸)のうち1戸が成約済。販売中の3戸(軽量鉄骨2階建て(2戸)、木造2階建て(1戸))の価格は6,580万~6,880万円(間取り3LDK)。残りの建売住宅4戸は11月着工、19年3月に完成する予定。一方、注文住宅(宅地)は、4区画のうち3区画が成約済。

 内覧には、土地探しの人も含めて約20組が来場。都内に勤務する30~35歳の子育て世帯が大半で、ヒートアイランド対策については、今年は猛暑だったこともあり、快適さが向上する取り組みとして、顧客から評価されているという。

 同社では今後も、クーリングアイテムや緑化によるヒートアイランド対策について、まとまった分譲住宅をはじめ、注文住宅でも推奨していく方針。

窓の前に設置されたベンチ型の蛇かご。保水性の高い溶岩石が入っているため、涼しい風を通す効果があるという

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建売住宅

分譲宅地に建築され、敷地と一緒に販売される住宅をいう。類似の用語として「売建住宅」があるが、建売住宅の建築主は不動産業者であるのに対して、売建住宅の建築主は宅地購入者である。

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