不動産ニュース / 調査・統計データ

2018/10/25

中小賃貸ビル事業、短期見通しは4割が楽観的

 (株)ザイマックス不動産総合研究所は25日、「ビルオーナー実態調査2018」の結果を発表した。早稲田大学建築学科の小松幸夫研究室と共同で、中小規模ビルを保有するビルオーナーに対し、アンケートとヒアリングで調査したもの。3回目となる今回は、大阪市を除く全国政令指定都市(19都市)が対象。調査期間は18年6~9月、有効回答数は561社。

 賃貸ビル事業者のオーナー(経営者)の属性は、年齢は6割以上が60歳以上。全体の売上に占める賃貸ビル事業の割合は、7割以上の事業社が約4割となった。事業歴は30年以上前からが5割を占めた。ビルの保有数は1~2棟が約7割。保有するビルの規模はほとんどが3,000坪未満の中小ビルで、全体の約半数が300坪未満のビルだった。

 賃貸ビル事業での重視項目としては、「テナント要望への対応」「ビルの改修やリニューアル」「省エネ対策」等を挙げ、実際に実施した割合も高い結果に。一方、「中長期の修繕計画作成」「法改正に伴う既存不適格の改修」「耐震対策」は、重視しているものの、実施した割合は低かった。

 今後の「賃貸ビル事業」については、3年程度先の短期的な見通しは楽観派が40%で、悲観派の17%を上回る。一方、5~10年先の中長期的な見通しでは、悲観派が36%と楽観派の23%を上回った。なお、政令指定都市は、短期的な見通しを東京・大阪と比べると、悲観的にみる割合が高く、楽観派が少ない結果となった。

  今後の賃貸ビル事業での不安は、「築古に伴う修繕費の増加」「空室の増加」「賃料の下落」といった「収入・支出」に関する項目が上位を占めている。

 賃貸ビル事業に影響があると思われる社会情勢の変化については、「人口減少・就業者の減少」「働き方の変化(勤務時間・雇用形態)」「人手不足によるコストへの影響」の順で関心が高かった。

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賃料

賃貸借契約によって賃借人が支払う対価をいう。特約がない限り後払いである。また、地代・家賃については、事情変更による増減請求権が認められている。 なお、借主が実質的に負担するのは、賃料に保証金、預かり金等の運用益を加えた額(実質賃料)である。また、共益費など賃料以外の負担を求められることも多い。

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